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プロジェクト管理の体制|人の割当34.9%と憲章14.1%
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事の結論
- 人の割り当てが34.9%:279件で上端です*2。
- プロジェクト憲章は14.1%:113件で下端です*2。
- 取り組みなしが30.7%:245件で2番目です*2。
※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。
人を増やすと決めたのに、増えた人を誰がどう見るかが決まっていない。よくある詰まり方です。
受け入れる型がないと、増員はそのまま既存の担当者の負荷になります。だから増やしても速くなりません。
手がかりは、プロジェクトマネジメント体制の取り組みを企業に聞いた設問です。
IPAの調査データを集計すると、上端は「相応の知識、スキル、経験を有した人を割り当てている」で279件、34.9%でした*2。
下端は「プロジェクト憲章が存在する」で113件、14.1%です*2。人を当てる側が先に立ち、文書は後ろに来ます*2。
目次
増えた人を受け入れる型が決まっていない
増員の決裁は取れた。では、増えた人の作業範囲は誰が決めるのか。ここが空くと止まります。
決める人が決まっていないと、既存の担当者に質問が集まります。増やしたのに速度が変わりません。
この状況を集計した資料があります*1。IPAの「2024年度ソフトウェア動向調査」です*1。
公開日も示されています*1。2025年2月27日公開で、最終更新日は2025年4月25日と示されています*1。
調査の時期も書かれています*1。2024年12月17日から2025年2月14日にかけて実施されたものです*1。
回答の件数も示されています*1。2025年4月7日時点で企業799件、個人74件の計873件でした*1。
この記事が扱うのは企業向けだけです*1。799件の側で、個人向けの74件は含めません*1。
データの扱いも書かれています*1。回答を匿名化してオープンデータとして公開し、分析レポートを募集しているとされています*1。
今回見るのはQ2-10です*3。ソフトウェアやシステム開発を実施する際のプロジェクトマネジメント体制を扱います*3。
母数は799件、当てはまるものを全て選ぶ形式
数値の出どころを先に決めます*2。この記事の比率は、公開されている調査結果のCSVから筆者が集計した値です*2。
母数を実測します*2。この設問はすべての企業種別が回答対象で、799件が母数になります*2。
形式も確かめます*3。必須の複数選択で、当てはまるものを全て選ぶ形式です*3。選ぶ個数に上限はありません*3。
複数選択なので、比率は799件に対する割合で足すと100%にはなりません*2。
選択肢の書き方も決めます*3。選択肢は文章の形で示されているため、この記事では意味を変えずに名詞の形に整えて並べます*3。
定義があるものは引いておきます*3。プロジェクトガバナンス体制は「開始・中止・完了、PM任命解任、予算承認等を決定する責任者または委員会」、プロジェクト憲章は「プロジェクトの目的・目標、制約等明記した文書」と説明されています*3。
この記事で計算した値も分けて書きます*2。選んだ個数ごとの分布、上端と下端の差と倍率、2つの束への分け方、中央値と平均はこの記事で計算したものです*2。
同じ799件を母数にした設問はIT人材の増減|運用だけ維持28.0%が増加22.4%を超えるでも扱っています*2。
上端は人の割り当てで34.9%、憲章は14.1%
まず項目ごとに見ます*2。上端は「相応の知識、スキル、経験を有した人を割り当てている」で279件、34.9%でした*2。
2番目は責任の所在です*2。「プロジェクトマネジャー等の実施責任体制の明確化」が242件で30.3%になります*2。
3番目は権限です*2。「プロジェクトマネジャーの権限と責任の明確化」が194件で24.3%でした*2。
4番目が決める場です*2。「プロジェクトガバナンス体制の確立」が182件で22.8%になります*2。
下の3つは2割を切ります*2。「プロジェクトマネジメントに関する教育の推進」が149件18.6%、「プロジェクトマネジメントに関する組織としての標準」が141件17.6%、「プロジェクト憲章」が113件14.1%です*2。
差を計算します*2。34.9%から14.1%を引くと20.8ポイント、件数では279件を113件で割って約2.47倍です*2。どちらもこの記事で計算した値です*2。
2番目に多いのは取り組みがない側でした*2。「特に取り組みを行っていない」が245件、30.7%です*2。7つの取り組みのうち上端を除くすべてより多くなります*2。
判断できない側も示します*2。「わからない」は115件14.4%、「その他」は32件4.0%で、自由記述の中身は公開データに含まれません*2。
合計も出しておきます*2。延べ選択数は1692件で、母数で割ると211.8です*2。表示した10の比率を足すと211.7になります*2。
読み方はこうです*2。人を当てるという行為が先に立ち、文書と組織の仕組みが後ろに並びます*2。
選んだ個数は0個が48.9%、次が1個
項目ごとの比率だけでは形が見えません*2。そこで、7つのうち何個を選んだかで企業を分けます*2。
いちばん多いのは0個でした*2。391件、48.9%が7つのどれも選んでいません*2。
次に多いのは1個です*2。137件、17.1%でした*2。
そこから先は薄くなります*2。2個が68件8.5%、3個が47件5.9%、4個が34件4.3%、5個が32件4.0%、6個が40件5.0%、7個すべてが50件6.3%です*2。
丸めも確かめます*2。この8区分は1社が1つの区分にしか入らず、丸めた比率を足すと100.0になります*2。補数は使いません*2。
1個以上の側も見ます*2。408件、51.1%が1個以上を選び、そのうち7つすべてが50件で12.3%でした*2。
平均も出しますが、そのままは使えません*2。選んだ個数は中央値が1個、平均が1.63個です*2。半分近くが0個の分布なので、平均は真ん中を表しません*2。
0個の内訳も分けます*2。391件は「特に取り組みを行っていない」245件、「わからない」115件、「その他」だけを選んだ31件で、足すと391件になります*2。
排他も確かめます*2。この3つと7つの取り組みは重複が0件で、互いに排他でした*2。ただし「その他」32件のうち1件は取り組みも選んでいます*2。
1つだけなら人を当てる、憲章は1件
1個だけの中身を見ます*2。137件のうち、いちばん多いのは「相応の知識、スキル、経験を有した人を割り当てている」の64件、46.7%でした*2。
残りは分かれます*2。「プロジェクトガバナンス体制の確立」が24件、「権限と責任の明確化」が16件、「教育の推進」が12件、「実施責任体制の明確化」が11件、「組織としての標準」が9件です*2。
下端は文書でした*2。「プロジェクト憲章」を単独で選んだのは1件です*2。
ここで2つの束に分けます*2。人に関する3項目と、仕組みに関する4項目です*2。この分け方はこの記事の側で、資料が分類しているわけではありません*2。
人に関する3項目は割り当て、実施責任体制、権限と責任です*2。1つ以上選んだのは357件、44.7%でした*2。
仕組みに関する4項目はガバナンス体制、標準、教育、憲章です*2。1つ以上選んだのは269件、33.7%になります*2。
重なりも出します*2。人だけが139件17.4%、仕組みだけが51件6.4%、両方が218件27.3%、どちらもなしが391件48.9%で、足すと100.0になります*2。
上端の側も見直します*2。人の割り当てを選んだ279件のうち、権限と責任の明確化も選んだのは149件で53.4%でした*2。
仕組みが無い側も数えます*2。同じ279件のうち、仕組みに関する4項目をどれも選んでいないのは104件、37.3%です*2。
読み方はこうです*2。人を当てた企業の3分の1強は、決める場も文書も標準も挙げていません*2。人選だけで体制を成り立たせている形になります*2。
ただし資料からは、項目どうしの因果は読めません*2。同じ企業が何を選んだかを数え直した結果です*2。
この集計から読めないこと
使う前に、限界を並べておきます*2。
第一に、体制があることの効果が読めません*3。取り組みの有無を聞いた設問で、成果との関係は示されていません*3。
第二に、取り組みの質や深さが読めません*3。当てはまるかどうかの選択で、どこまで運用されているかは分かりません*3。
第三に、取り組んでいない理由が読めません*3。選ばなかった側に理由を尋ねた設問はありません*3。
第四に、項目どうしの因果が読めません*2。137件の内訳や104件という数はこの記事で数え直した結果で、資料が解釈を示しているわけではありません*2。
第五に、2つの束への分け方はこの記事のものです*2。人に関する3項目と仕組みに関する4項目という区分は、資料の分類ではありません*2。
第六に、産業別や規模別の内訳を出していません*2。799件全体の分布までです*2。
第七に、回答企業の偏りが残ります*1。任意の回答であり、母集団を代表する抽出ではありません*1。
第八に、時期の範囲があります*1。2025年4月7日時点の回答であり、それより後の傾向は読めません*1。
受け入れる型を1つ決める4段
ここまでの分布を、自社の手順に落とします*2。
| 選択肢 | 件数 | 799件に対する比率 |
|---|---|---|
| 相応の知識、スキル、経験を有した人の割り当て | 279件 | 34.9% |
| プロジェクトマネジャー等の実施責任体制の明確化 | 242件 | 30.3% |
| プロジェクトマネジャーの権限と責任の明確化 | 194件 | 24.3% |
| プロジェクトガバナンス体制の確立 | 182件 | 22.8% |
| プロジェクトマネジメントに関する教育の推進 | 149件 | 18.6% |
| プロジェクトマネジメントに関する組織としての標準 | 141件 | 17.6% |
| プロジェクト憲章 | 113件 | 14.1% |
| 特に取り組みを行っていない | 245件 | 30.7% |
| わからない | 115件 | 14.4% |
| その他 | 32件 | 4.0% |
1段目は、決める人と決める場を1つ決めることです。範囲の追加や中止をその場で決めます。
2段目は、その人の権限と責任を書き出すことです。どこまで単独で決められるかを1行で書きます。
3段目は、受け入れる作業の範囲と期間を文書にすることです。渡す単位をここで確定します。
4段目は、社員と外部要員で持つ範囲を分けることです。判断が絡む範囲は社員側に置きます。
1段目を先に置く理由は、分布に出ています*2。「プロジェクトガバナンス体制の確立」は182件22.8%で、決める場を挙げた企業は4社に1社を下回ります*2。
2段目で書き出す理由もここです*2。人の割り当てを選んだ279件のうち、権限と責任の明確化も選んだのは149件53.4%で、半分弱は人を当てただけになっています*2。
3段目で文書にする理由は下端に出ています*2。「プロジェクト憲章」は113件14.1%で、1個だけ選んだ137件の中では1件しかありません*2。文書は後回しになりやすい側です*2。
4段目で範囲を分ける理由は0個の側です*2。7つのどれも選んでいない企業が391件48.9%で、人の割り当てを選んだ279件でも仕組みが無い側が104件37.3%あります*2。型が無いまま人を足すと、既存の担当者に判断が戻ります*2。
実務では、3段目で文書にした範囲と4段目で分けた外側が外部要員の枠になります。フリーランスを含む業務委託は、この枠と相性があります。範囲と期間を区切って渡せるためです。
逆に、1段目と2段目を外へ出すと、決める権限が外に出ます。決める人と決める場は社内に置きます。
リリース前の確認の実態はリリース前の確認事項を決める手順、全項目実施は22.4%で同じ調査の別の設問を扱っています。
不足への対応方針はIT人材不足の対応とは、中途54.2%と外部委託44.1%で整理しています。
稼働と契約期間の管理は人的リソースの管理|35.0%、システム資産は63.2%で扱っています。
最後に範囲を添えておきます*1。この調査は2024年12月17日から2025年2月14日にかけて実施され、企業799件の回答があったものです*1。
まとめ:決める人と決める場を先に置き、渡す範囲を文書にする
第一に、資料です。IPAの「2024年度ソフトウェア動向調査」は2025年2月27日公開・2025年4月25日最終更新で、2024年12月17日から2025年2月14日にかけて実施され、2025年4月7日時点で企業799件・個人74件の計873件の回答がありました。この記事は企業向けの799件だけを扱い、回答は匿名化されてオープンデータとして公開されています。第二に、母数と形式です。Q2-10はすべての企業種別が回答対象で母数799件、必須の複数選択で当てはまるものを全て選ぶ形式なので比率の合計は100を超えます。選択肢は文章の形で示されているため、意味を変えずに名詞の形へ整えて並べました。比率は公開されている調査結果のCSVから筆者が集計した値です。第三に、項目ごとの分布です。人の割り当てが279件34.9%、実施責任体制の明確化が242件30.3%、権限と責任の明確化が194件24.3%、ガバナンス体制の確立が182件22.8%、教育の推進が149件18.6%、組織としての標準が141件17.6%、プロジェクト憲章が113件14.1%でした。上端と下端の差は20.8ポイント、件数では約2.47倍です。「特に取り組みを行っていない」が245件30.7%で2番目に多く、わからないが115件14.4%、その他が32件4.0%でした。延べ選択数は1692件で母数で割ると211.8、表示した10の比率を足すと211.7です。第四に、選んだ個数です。0個が391件48.9%、1個が137件17.1%、2個が68件8.5%、3個が47件5.9%、4個が34件4.3%、5個が32件4.0%、6個が40件5.0%、7個すべてが50件6.3%で、丸めた比率を足すと100.0になります。中央値は1個、平均は1.63個です。0個の391件は特に取り組みを行っていない245件、わからない115件、その他だけの31件でした。第五に、1個だけの中身です。137件のうち人の割り当てが64件46.7%で、プロジェクト憲章は1件でした。第六に、2つの束です。人に関する3項目を1つ以上選んだのが357件44.7%、仕組みに関する4項目が269件33.7%で、人だけ139件17.4%、仕組みだけ51件6.4%、両方218件27.3%、どちらもなし391件48.9%です。
よくある質問
プロジェクトマネジメント体制として何に取り組んでいる企業が多いのですか。
IPAの2024年度ソフトウェア動向調査の公開データを集計すると、母数799件に対して「相応の知識、スキル、経験を有した人を割り当てている」が279件34.9%で上端でした。以下、実施責任体制の明確化が242件30.3%、権限と責任の明確化が194件24.3%、ガバナンス体制の確立が182件22.8%と続きます。複数選択なので合計は100を超えます(確認日2026年9月10日)。
取り組んでいない企業はどれくらいありますか。
「特に取り組みを行っていない」が245件30.7%で、7つの取り組みのうち上端を除くすべてより多くなります。「わからない」が115件14.4%で、7つのどれも選んでいない企業は391件48.9%でした。この391件は取り組みなし245件、わからない115件、その他だけの31件の合計です。
1つだけ取り組んでいる企業は何を選んでいますか。
1個だけ選んだ137件のうち、「相応の知識、スキル、経験を有した人を割り当てている」が64件46.7%でした。「プロジェクトガバナンス体制の確立」が24件、「権限と責任の明確化」が16件と続き、「プロジェクト憲章」を単独で選んだのは1件です。
人を当てれば体制は足りるのですか。
この集計からは効果を読めません。分布としては、人の割り当てを選んだ279件のうち権限と責任の明確化も選んだのは149件53.4%で、ガバナンス体制・標準・教育・憲章のどれも選んでいないのは104件37.3%でした。人選だけで成り立たせている形が3分の1強あります。
プロジェクト憲章とは何を指していますか。
資料では「プロジェクトの目的・目標、制約等明記した文書」と説明されています。これを挙げたのは113件14.1%で、7つの取り組みの下端でした。上端の34.9%との差は20.8ポイント、件数では279件と113件で約2.47倍です。
出典
- *1 参考:IPA「2024年度ソフトウェア動向調査」調査結果データの公開と分析レポートの募集(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/software-engineering/result-software2024.html)。公開日2025年2月27日・最終更新日2025年4月25日・調査期間2024年12月17日から2025年2月14日・2025年4月7日時点で企業799件と個人74件の計873件の回答・匿名化してオープンデータとして公開し分析レポートを募集しているという方針の一次情報として(2026年9月確認)
- *2 参考:IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 企業向け 調査結果(選択肢項目文字列)」(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/software-engineering/h5f8pg00000028n8-att/software2024-c-result-data-str.csv)。Q2-10の回答を集計した元データとして。この記事の件数・比率・差と倍率・選んだ個数の分布・2つの束の件数・中央値と平均はこのCSVから筆者が集計・計算した値であり、資料に印字された比率ではない。示された値を用いた図表の作成という編集・加工を筆者が実施(2026年9月確認)
- *3 参考:IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 企業向け 設問一覧」(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/software-engineering/h5f8pg00000028n8-att/software2024-c-questions.xlsx)。Q2-10の設問文・10の選択肢・プロジェクトガバナンス体制とプロジェクト憲章の定義・必須である旨・回答種別(複数選択と自由記述)・すべての企業種別が回答対象であることの確認として(2026年9月確認)
- *4 参考:IPA「ソフトウェア開発関連調査」(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/index.html)。この調査が置かれている調査群の構成と、年度ごとに調査が公開されていることの確認として(2026年9月確認)