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2026.09.18 採用支援コラム

運用保守の開発要員|夜間当番を社内と外部で分ける方法

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

吹き抜けの書架が四方の壁を埋め、アーチ窓から光が入る図書室の内観

この記事の結論

  • 運用保守で外部委託が多いと答えた企業は、売上高100億円未満で28.9%、1兆円以上で68.9%でした。
  • 調査は、運用をまるごと委託する形と、外部の人を自社のチームに入れる形を区別していないので、どちらを取るかは自社で先に決めます。
  • 外部の人をチームに入れるなら、任せる作業と期間を書き出し、障害時にシステムを止めるかどうかの判断は社員が行います。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

運用保守を担当してきたメンバーが1人辞めて、夜間の当番を組めなくなった。改修の依頼がたまる一方なのに、日々の問い合わせへの対応に時間を取られている——。社内システムを抱える開発の現場では、こうした悩みが起こりがちです。運用保守の開発要員とは、稼働中のシステムの監視や障害への対応、問い合わせへの回答、機能の改修を担う人を指します。

こうした人を社内で抱えるのか、外部から加わってもらうのかを考えるとき、自社と同じ規模の企業がどちらを選んでいるかは一つの目安になります。ただし万能ではなく、調査は外部委託の形までは分けていません。本記事では、開発の現場をまとめるマネージャーに向けて、運用保守を社内と社外のどちらで担う企業が多いか、設計・実装・テストとの違い、決め方、そして外部に委託するときに確認したい点を整理します。

運用保守の開発要員とは

運用保守の仕事は、大きく2つに分けられます。1つは、システムを止めずに動かし続けるための日々の作業です。監視の当番、障害が起きたときに最初に状況を確かめる作業、利用者からの問い合わせへの回答がこれに当たります。もう1つは、動いているシステムに手を入れる作業で、機能の改修や不具合の修正の設計と実装が含まれます。

2つの作業では、求められる経験が違います。日々の作業では、手順書どおりに状態を確かめて報告できることや、決まった時間帯に対応できることが大切です。改修では、既存のプログラムを読み、変更がほかの機能に影響しないかを確かめる経験が要ります。同じように運用保守の開発要員を増やすといっても、どちらの作業を任せるのかによって、探す人が変わります。

売上高で何が分かれるのか

JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査2026」は、東証上場企業とその子会社に、システム開発を社内と社外のどちらで担っているかを尋ねています。*1 システム開発を5つの工程に分け、工程ごとに、社内で担う「ほぼ内製」から、社外に委託する「ほぼ外部委託」までの5段階で答えてもらう形です。このうちシステム運用・保守の工程について、売上高の区分ごとの回答を並べると次の表になります。

売上高別 システム運用・保守の内製と外部委託の割合(JUAS「企業IT動向調査2026」図表7-2-5のうち、システム運用・保守の行をもとに作成)
売上高(回答数) ほぼ内製 内製が多い 同程度 外部委託が多い ほぼ外部委託
100億円未満(197社) 31.0% 23.4% 16.8% 13.2% 15.7%
100億円以上1000億円未満(430社) 22.6% 24.0% 20.9% 18.1% 14.4%
1000億円以上1兆円未満(182社) 8.8% 20.9% 20.9% 23.6% 25.8%
1兆円以上(45社) 8.9% 11.1% 11.1% 20.0% 48.9%

売上高が小さいほど内製が多く、大きい企業ほど外部委託が多いという結果です。*1「ほぼ内製」と「内製が多い」の割合を足して計算すると、内製側は100億円未満で54.4%、100億円以上1000億円未満で46.6%、1000億円以上1兆円未満で29.7%、1兆円以上で20.0%でした。いちばん小さい区分といちばん大きい区分の差は34.4ポイントです。

外部委託側は反対に上がります。「外部委託が多い」と「ほぼ外部委託」を足すと、100億円未満で28.9%、100億円以上1000億円未満で32.5%、1000億円以上1兆円未満で49.4%、1兆円以上で68.9%となり、差は40.0ポイントに広がります。

設計・実装・テストとの違い

同じ調査の設計・実装・テストの工程と比べると、運用保守の特徴がはっきりします。設計・実装・テストで「外部委託が多い」と「ほぼ外部委託」を足すと、100億円未満で56.8%、100億円以上1000億円未満で57.8%、1000億円以上1兆円未満で73.0%、1兆円以上で86.7%でした。どの規模でも、運用保守より外部委託の割合が高くなっています。

運用保守との差は、100億円未満で27.9ポイント、100億円以上1000億円未満で25.3ポイント、1000億円以上1兆円未満で23.6ポイント、1兆円以上で17.8ポイントです。規模が大きくなるほど差は縮み、売上高の大きい企業では、運用保守も設計・実装・テストに近い割合で社外に委ねています。

売上高1000億円未満の2つの区分では、設計・実装・テストは外部委託側が半数を超える一方、運用保守は内製側が外部委託側を上回っています。新しい機能を作る工程は社外に頼んでも、稼働した後の運用は社内で担う。規模の小さい企業では、この分担を選ぶ例が多いということです。

なぜ割合だけでは決められないのか

自社と同じ規模の企業がどちらを選んでいるかが分かっても、それだけでは自社の進め方は決まりません。この調査の選択肢は、内製と外部委託のどちらが多いかを聞いたもので、外部委託の中身までは分けていないからです。

運用保守を社外に委ねるやり方には、少なくとも2つの形があります。1つは、監視から障害への対応まで、運用の責任ごと委託先に任せる形です。もう1つは、責任は社内に置いたまま、足りない作業を担う人に外部から加わってもらう形です。前者は委託先と結ぶ契約の中身を決める話で、後者はチームに加わる人を探す話になります。

調査はこの2つを区別していないため、1兆円以上の68.9%のうち、どちらの形がどれだけあるかは公表されていません。自社で検討するときは、先にどちらの形を考えているのかを決めておきます。それによって、契約の中身を決めるのか、人を探すのかが決まります。

どう決めるのか

決めるときは、いま手が足りなくなっている作業を1つ選ぶところから始めます。夜間の監視の当番なのか、問い合わせの受け付けなのか、たまっている改修の設計なのか。運用保守とひとまとめにしたままでは、必要な人の経験も、契約の形も決まりません。

運用保守の担い手を増やすまでの手順を、左から右へ4つの箱で示した図。1つ目は自社の売上高の位置を見ること(100億円未満は内製の合計が54.4%、1兆円以上は外部委託の合計が68.9%)、2つ目は運用の責任ごと委託するのか担い手だけを増やすのかを分けること(調査はこの2つを区別していない)、3つ目は障害の一次対応なのか改修の設計なのかを決めて作業と期間を書くこと、4つ目は外部の要員に任せたうえで、システムを止めるか続けるかの判断は社内に残すこと。数値はJUAS「企業IT動向調査2026」図表7-2-5による。合計は資料の割合から計算したもので、回答は売上高の区分ごとに45社から430社。

次に、選んだ作業を運用の責任ごと委託するのか、人に加わってもらうのかを決めます。システムを止めるか続けるかの判断まで委託先に任せてよいなら前者、その判断は社内に残したいなら後者です。ここまでは、社内の体制表と当番表を見れば決められます。

人に加わってもらうと決めたら、作業と期間を書き出します。「問い合わせの受け付けを平日の日中に6か月」といった書き方で十分です。作業と期間がはっきりしているほど、業務委託で加わる人を条件に合わせて探しやすくなります。

つまずきやすい点

一つ目は、「外部委託が多い」という回答を、運用をまるごと委託している企業の割合だと受け取ってしまうことです。前に見たとおり、この調査は委託の形を分けていません。

二つ目は、1兆円以上の値をそのまま自社に当てはめることです。この区分の回答は45社で、ほかの区分の182社から430社に比べて少ないため、数社の回答の違いで割合が大きく変わります。*1 規模が大きい企業ほど外部に委託している、という傾向を知る目安にとどめておきます。

三つ目は、外部委託の多い企業ほどうまく運用できている、と考えてしまうことです。調査が示すのは内製と外部委託の分担で、運用の品質や費用がどう変わったかは含まれていません。

外部に委託するときに確認しておきたい点

依頼を書くときは、作業と時間帯と期間を並べます。先の例に加えて「月次の改修の設計を3か月」のように書けば、求める経験の条件も決まります。日々の当番と改修の設計では必要な経験が違うので、依頼は作業ごとに分けて書きます。

当番に入ってもらうなら、引き継ぐ手順書がどこまでそろっているかも先に確かめておきます。手順が書かれていない作業は、加わった人が自分で調べることになり、その問い合わせに答える社内の人の時間も取られます。

システムを止めるか続けるかの判断は、社内に残しておきます。この判断まで社外に委ねると、障害が起きたときに社内で止めるかどうかを決められなくなります。正社員を採用するか、外部の人に加わってもらうかを選ぶときも、この判断を担う社員が社内にいるかどうかを先に確かめます。

工程ごとの内製と外部委託の割合は「システム開発の外部委託|設計・実装・テストで63.4%」で、どの工程で業界の知識が求められるかは「業界知識はどこで要る?上流の不足60.1%と実装44.9%」で扱っています。稼働後の性能の問題は「性能改善とは|IPAの定義は応答時間から資源使用量まで」で、既存システムの刷新に向かう予算は「既存システムの刷新と新規導入の違い、予算増の理由は66.3%」で整理しました。

まとめ:運用保守の体制で確かめておきたい3つの点

運用保守の開発要員を社内で抱えるか、外部から加わってもらうかを決めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、自社と同じ売上高の企業では、運用保守の内製と外部委託のどちらが多いかを知ること。第二に、運用の責任ごと委託するのか、足りない作業に人を加えるのかを分けること。第三に、任せる作業と期間を書き出し、システムを止めるか続けるかの判断は社内に残すことです。この3点を踏まえておけば、「運用保守をまとめて委託したら、障害のたびに社内で判断できる人がいなくなった」という事態を避けやすくなります。運用保守の体制に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

運用保守の開発要員に加わってもらうと決めたら、次は探す段階です。日々の当番に入ってもらうのか、改修の設計から任せるのかで、声をかける相手が変わります。任せる作業と期間が書けていれば、その条件に合う経験を持つ人から探せます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

この調査は、どんな企業に聞いたものですか

JUAS「企業IT動向調査2026」は、東証上場企業とその子会社を対象に、2025年9月5日から10月24日にかけて実施されました。回収数は957社、有効回答率は21.3%です。*1 本記事の表は、このうちシステム運用・保守の分担に答えた企業の回答です。

外部の人材とは、どんな人を指しますか

本記事では、社員ではなく業務委託の契約で開発や運用に加わる人を指しています。フリーランスとして個人で働く人も含みます。作業と期間を決めて加わってもらう形なので、依頼の中身がはっきりしているほど探しやすくなります。

手順書がそろっていない作業も、外部の人材に任せられますか

任せることはできます。その場合は引き継ぐ前に、社内の担当者がいつもの手順を箇条書きで書き出しておくと、引き継ぎを進めやすくなります。

運用保守の開発要員を探したいとき

任せる作業と期間の整理からご相談いただけます。運用の責任ごと委託するか、人に加わってもらうかを決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)報告書(PDF)(https://juas.or.jp/cms/media/2026/04/JUAS_IT2026.pdf)。出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)。一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会発行。調査期間2025年9月5日から10月24日、調査対象は東証上場企業とその子会社、回収数957社・有効回答率21.3%。図表7-2-5(工程別・売上高別 システム開発の内製/外部委託度合い)を参照。表と図は資料の数値をもとに作成し、内製側・外部委託側の合計と差は資料の割合から計算した(2026年9月確認)
  2. *2 参考:JUAS「企業IT動向調査」(https://juas.or.jp/library/research_rpt/it_trend/)。調査が毎年実施され報告書が公開されていることの確認として(2026年9月確認)
  3. *3 参考:JUAS 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(https://juas.or.jp/)。発行元の確認として(2026年9月確認)




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