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2026.09.29 採用支援コラム

外部人材活用の年度計画|下期増員に向けて上期に固めておくこと




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 下期増員は、任せる作業と外部人材に切り替えるかを判断する期日を、上期のうちに年度計画へ書いておきます。
  • 情報通信業では、10〜12月期に正社員等を増やす見込みの事業所が、減らす見込みを18ポイント上回っています。
  • 下期の費用は年度末までの月数分で見積もり、振り替える予算と承認の手続きを先に確かめます。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

下期から新しい開発が始まるのに、加わってもらう人がまだ決まっていない。増員の費用をどの予算から出すかで、社内の話が止まっている——。年度の途中で開発の体制を広げようとする現場では、こうした行き違いが起こりがちです。下期増員とは、会社の年度を前半と後半に分けたうちの後半(下期)に、開発に加わる人数を増やすことを指します。

下期増員を外部人材活用でまかなうと、契約の期間を下期の作業に合わせて決められます。ただし万能ではなく、年度計画と予算は年度の初めに決まっているため、上期のうちに段取りをつけておかないと、下期の初めに受け入れの準備が整わないこともあります。本記事では、開発の体制を預かるマネージャに向けて、下期に向けた人手の見通し、上期のうちに決めること、予算の組み替え、受け入れ準備、そして年度末の引き継ぎを整理します。

夕焼けの空を背に、建設中の建物の上に立つ2基のタワークレーンのシルエット

下期増員とは

4月に始まる年度なら、4月から9月が上期、10月から翌年3月が下期にあたります。年度計画は上期と下期に分けて立てる会社が多く、日本銀行の短観(全国企業短期経済観測調査)も、売上高などの年度計画を上期と下期に分けて集計しています。*2

下期増員が必要になる場面は、大きく3つあります。下期から新しい開発に着手する場合、上期に始めた開発の範囲が広がった場合、そして翌年度の開発に向けて下期のうちに準備を始めたい場合です。どの場面でも、年度の初めに立てた年度計画には、その人数の分の作業も費用も載っていないことがほとんどです。

外部人材活用で下期増員をまかなう形には、業務委託で開発に加わるフリーランスのエンジニア、開発会社への作業の依頼、派遣での受け入れなどがあります。社員を採用する場合と違って、契約の期間を下期の作業に合わせて決められるのが特徴です。その代わり、年度末で契約をどうするかを、下期の途中で決めることになります。

下期に向けた人手の見通し

厚生労働省の「労働経済動向調査」は、常用労働者30人以上の民営事業所を対象に、2月・5月・8月・11月の四半期ごとに実施されています。2026年9月29日に公表された8月調査は、8月1日現在の状況を尋ねたもので、有効回答は3,175事業所でした。*1

この調査の雇用判断D.I.は、正社員等の数が前の期間の末より「増加」と答えた事業所の割合から、「減少」と答えた事業所の割合を引いた値です。*1 情報通信業では、4〜6月期の実績が0ポイントだったのに対し、7〜9月期の実績見込みは+11ポイント、10〜12月期の見込みは+18ポイントでした。10〜12月期の+18ポイントは、13の産業の中で最も高い値です。*1

情報通信業の正社員等雇用判断D.I.(季節調整値。出典:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8(2026)年8月)の概況」表1。増加と減少は事業所の割合(%)、D.I.はポイント。この表は資料の数値をもとに筆者が作成した)
期間 増加 減少 D.I.
4〜6月期(実績) 23 23 0
7〜9月期(実績見込み) 24 13 +11
10〜12月期(見込み) 22 4 +18

人が足りないという受け止めも続いています。「不足」と答えた事業所の割合から「過剰」の割合を引いた正社員等労働者過不足判断D.I.は、情報通信業で2月1日現在が+62ポイント、5月が+54ポイント、8月が+52ポイントでした。8月1日現在で「不足」と答えた事業所は54%です。*1 下期に正社員等を増やす見込みの事業所が多い一方で、人が足りないと答える事業所も半数を超えています。

なぜ上期のうちに決めるのか

日本銀行の短観で情報サービス業の雇用人員判断D.I.を並べると、不足の側に大きく振れた状態が年度をまたいで続いています。この指標は、雇用人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を引いたもので、マイナスが大きいほど人が足りないと答える企業が多いことを示します。*2

日本銀行の短観による雇用人員判断D.I.(過剰から不足を引いた値、全規模)の推移を示す折れ線グラフ。情報サービスは2025年3月調査から順に−49、−51、−51、−53、2026年3月調査−50、6月調査−41で、9月に向けた先行きは−42。全産業は−37、−35、−36、−38、−38、−37で、先行きは−40。情報サービスは6回とも全産業より不足の側にある。

情報サービス業(全規模)は、2025年3月調査から12月調査までの4回が、いずれも−49〜−53ポイントでした。2026年6月調査では−41ポイントと3月調査から9ポイント縮まったものの、全産業の−37ポイントより不足の側にあり、9月に向けた先行きは−42ポイントです。*2 2026年6月調査で情報サービス業の雇用人員に答えた企業は220社でした。*2 短観は全国の企業9,141社を対象にした調査で、2025年12月調査では調査対象企業の見直しが行われています。*3

人手が足りない部門への手当ての予定も、労働経済動向調査で見ておきます。

情報通信業の不足している部門等への対応(出典:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8(2026)年8月)の概況」付属統計表第5-1表。上の2行は全事業所に占める割合、下の3行は「対応した(対応する予定)」事業所を100とした割合で複数回答。この表は資料の数値をもとに筆者が作成した)
項目 4〜6月(実績) 7〜9月(予定) 10〜12月(予定)
不足している部門等がある 78% 74% 73%
対応した(対応する予定) 70% 61% 60%
中途採用の開始・拡大・強化 71% 81% 80%
外部人材(派遣労働者等)の受入れ 22% 19% 19%
外注化・下請化等の推進 12% 12% 13%

情報通信業で10〜12月期に何らかの対応を予定している事業所の中身を見ると、「中途採用の開始・拡大・強化」が80%と最も多く、「外部人材(派遣労働者等)の受入れ」は19%、「外注化・下請化等の推進」は13%でした。*1 同じ下期に多くの事業所が中途採用を強める予定なら、下期の人数を社員の採用だけでそろえる計画は、採用が決まらなかったときの手当てを持たないことになります。外部人材活用を年度計画の選択肢に入れておくなら、そのための段取りは上期のうちに始めることになります。

上期のうちに決めること

最初に決めるのは、下期に任せる作業です。「新しい機能の開発で、画面の実装とテスト」「既存システムの改修で、設計の見直しから」のように、作業の範囲と段階まで書きます。社員を採るのか、外部の専門人材に加わってもらうのかは、この作業の書き方しだいで判断しやすくなります。

上期のうちに年度計画へ書いておきたいのは、次の5つです。

  • 任せる作業と、その段階(設計・実装・テストなど)
  • 作業を始めたい月と、年度末で終えるか翌年度まで続けるかの見込み
  • 求める経験(使う技術と、同じ種類の作業の経験)
  • 社内で作業の指示や確認を受け持つ人
  • 社員の採用を待つか、外部人材に声をかけるかを判断する期日

5つめの期日は、社内で決める日付です。人が見つかるまでにかかる期間は、作業の中身や求める経験によって大きく変わるので、日数を見込んで計画を組むより、判断する日を先に置くほうが扱いやすくなります。採用の結果を待つ期限を決めておけば、「その日までに決まらなければ外部人材活用に切り替える」と年度計画に書けます。

作業を始めたい月が下期の初めなら、上期のうちに候補者と話すところまで進めておく必要があります。任せる作業と始めたい月が書けていれば、社員の募集にも外部人材への声かけにも、同じ文面を使えます。

予算の組み替え

下期増員の費用は、年度計画を立てた時点の予算には載っていないことが多いものです。まず、下期の作業に払う費用を月ごとに見積もり、年度末までの月数分を合計します。業務委託で月ごとに報酬を払う契約なら毎月、成果物を納めてもらう請負の契約なら納品と検収のあとに支払いが出るので、契約の形によって費用が出る月が変わります。

次に、その費用をどこから出すかを決めます。候補になるのは、上期の予算と実績の差、優先順位を下げる案件の予算、翌年度に送る作業の予算です。上期の実績が固まる前でも、月ごとの支出の見込みを案件別に並べておけば、振り替えられる額の見当がつきます。

費目と承認の手続きも確かめます。社員の採用にかかる費用と、外部の専門人材に払う費用とでは、予算の費目も承認する部署も違う会社が少なくありません。年度の途中で予算を振り替えるときに誰の承認が要るかを、社内の決裁規程で先に調べておくと、下期の直前になって話が止まることを避けられます。

下期に加わった人に翌年度も続けてもらうなら、翌年度の予算には通年分を載せることになります。この考え方は「外部人材活用を年度計画に書くと、予算編成で費用を説明しやすい」で扱っています。社内の承認の場で聞かれやすい問いは「外部人材活用の稟議、社内説明で答えておく5つの問い」にまとめました。

受け入れ準備

下期の初めから作業に入ってもらうには、契約が決まってから慌てないよう、受け入れの準備を上期のうちに並べておきます。用意するものは大きく3つです。

  • 作業の環境:開発に使うアカウント、ソースコードの置き場所への権限、貸与するPC
  • 作業の材料:仕様書や設計書、これまでの経緯をまとめた資料、最初に読んでほしい文書の一覧
  • 連絡の段取り:質問を受ける担当者、定例の打ち合わせ、進み具合の報告の形

権限は、任せる作業に要る範囲だけを付けます。下期の途中で作業の範囲が広がったときに、どの権限を足すかを誰が決めるのかも、先に決めておくと手戻りが減ります。付与から削除までの流れは「業務委託エンジニアの受け入れ時の権限管理、付与から削除までの手順」で、PCの発送と返却は「リモート採用のオンボーディング、貸与PCの発送から返却までの手順」で扱っています。

契約の形によって、誰がどこまで作業の指示を出せるかが変わる点にも気をつけます。業務委託では、何を依頼するかを契約で決め、日々の進め方は受ける側が組み立てるのが基本です。受け入れる側の担当者がこの違いを知らないまま、社員と同じように作業を割り振ってしまうと、契約の内容と実際の働き方が食い違います。

年度末の引き継ぎ

下期増員は、年度末で区切りを迎えます。契約の終わりを年度末に置くのか、翌年度も続けてもらうのかは、下期の途中で決めることになります。続けるなら翌年度の予算編成に間に合うように、終えるなら引き継ぎの作業が年度内に収まるように、判断の時期を下期の作業計画に書いておきます。

引き継ぐものは、作ったもの、書いたもの、使っていたものの3つです。ソースコードと設計の資料が社内の置き場所にそろっているか、作業の記録と終わっていない課題が一覧になっているか、付与したアカウントと権限を削除したかを、順に確かめます。

引き継ぎを受ける人を社内で決めておくことも欠かせません。外部の専門人材が抜けたあとに誰がその部分を見るのかが決まっていないと、翌年度に同じ作業をもう一度頼むことになります。アカウントと資料の渡し方は「外部人材活用で退職者の引き継ぎを進める、アカウントと資料の渡し方」にまとめています。

年度末の直前は、社内の決算や翌年度の予算編成と重なり、引き継ぎを受ける担当者の手が空きにくくなります。引き継ぎの日程は、下期の作業計画を立てる時点で入れておくと進めやすくなります。

まとめ:下期増員で確かめておきたい3つの点

下期増員を外部人材活用で進めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、下期に任せる作業と、社員の採用を待つか外部人材に声をかけるかを判断する期日を、上期のうちに年度計画へ書くこと。第二に、下期の費用を年度末までの月数分で見積もり、どの予算から振り替えるかと承認の手続きを先に確かめること。第三に、受け入れの準備と年度末の引き継ぎを、下期の作業計画に最初から入れておくことです。情報通信業では10〜12月期に正社員等を増やす見込みの事業所が多く、*1 情報サービス業の人手不足の受け止めも年度をまたいで続いています。*2 この3点を踏まえておけば、「下期になってから人を探し始め、年度末までに作業が終わらなかった」という事態を避けやすくなります。下期の作業と予算の段取りに迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

下期に任せる作業と始めたい月が決まれば、求める経験の条件も書けるようになります。画面の実装から入ってもらうのか、設計の見直しから任せるのかで、候補者に聞くことが変わるためです。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

下期の途中から加わってもらうこともできますか

できます。作業の区切りに合わせて契約の開始月を決めれば、下期の初めでなくても構いません。ただ、年度末までが短いほど引き継ぎに使える日も少なくなるので、始め方と一緒に終わり方も決めておきます。

社員の採用と外部人材活用を同時に進めてもよいですか

進めて構いません。社員の採用が決まったら、外部人材に任せていた作業をどう引き継ぐかを、契約の期間とあわせて先に決めておきます。両方が決まったときにも、作業の持ち主が宙に浮かずに済みます。

下期増員の費用を追加の予算で申請するのと、振り替えるのとではどちらがよいですか

社内の決裁規程しだいです。振り替えで足りるなら手続きが軽く済む会社が多い一方、振り替え元の案件を止める理由の説明が要ります。まず予算を管理する部署に、どちらの手続きでどの書類が要るかを確かめてください。

統計の数値はどのくらいの頻度で更新されますか

労働経済動向調査は、2月・5月・8月・11月の四半期ごとに実施されています。*1 短観も四半期ごとの調査なので、年度計画を見直すときは、その時点で最新の回を確かめてください。確認日は2026年9月29日です。

下期に任せる作業が決まったら相談

任せたい作業と始めたい月が書けていれば、そのままご相談いただけます。社員の採用と外部人材活用のどちらで進めるか、決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、下期の作業と期間に合わせて、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8(2026)年8月)の概況」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2608/dl/7roudoukeizaidouko.pdf)。2026年9月29日公表。令和8年8月1日現在の状況を令和8年7月1日〜8月7日に調査、30人以上の常用労働者を雇用する民営事業所5,786事業所が客体で有効回答3,175事業所(有効回答率54.9%)。表1(正社員等雇用判断D.I.)、表3(正社員等労働者過不足判断D.I.)、付属統計表第5-1表(労働者が不足している部門等への対応状況)の一次情報として。表は資料の数値をもとに筆者が作成した(2026年9月確認)
  2. *2 参考:日本銀行「短観(調査全容)2026年6月調査」(https://www.boj.or.jp/statistics/tk/zenyo/2026/all2606.htm)。統計表(all2606a.xlsx)の「雇用人員(『過剰』-『不足』)」D.I.(情報サービス・全産業、全規模合計)、有効回答社数、売上高の年度計画(上期・下期)の一次情報として。グラフは資料の数値をもとに筆者が作成した(2026年9月確認)
  3. *3 参考:日本銀行「短観(概要)2026年6月」(PDF)(https://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2026/tka2606.pdf)。2026年7月1日公表。調査対象企業数(全国企業9,141社)、回答期間(5月28日〜6月30日)、2025年12月調査での調査対象企業の見直しの確認として(2026年9月確認)
  4. *4 参考:厚生労働省「労働経済動向調査」(結果の一覧)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/43-1.html)。調査が四半期ごとに実施され結果が公表されていることの確認として(2026年9月確認)




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