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2026.09.29 採用支援コラム

エンジニア中途採用の内定辞退、再募集までに決める4つのこと




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 内定辞退が出たら、次点の候補者、募集条件、募集経路、現場の仕事の4つを決めてから再募集に入ります。
  • 厚生労働省の委託調査では、高度専門職に高い給与を示すことがある企業が40.9%、仕事内容を限定することがある企業が27.2%でした。
  • 経路ごとに企業が感じる効果は違い、職業紹介とスカウトサービスでは求める人材とのマッチングの的確性が最も多く挙がっています。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

最終面接まで進んだ候補者から、内定辞退の連絡が届いた。ほかの候補者にはもう見送りを伝えてしまい、現場は入社日に合わせて仕事を空けて待っている——。エンジニア中途採用では、こうした行き詰まりが起こりがちです。再募集とは、内定辞退などで採用が決まらなかったポジションについて、候補者探しをもう一度進めることを指します。

再募集は、前回と同じ求人を出し直せば片づくものではありません。辞退の理由によっては、条件も経路も変えずに出し直すと、また同じところで止まります。ただし万能な手順があるわけではなく、どこから立て直すかは辞退の理由と現場の事情で変わります。本記事では、開発の現場を預かるマネージャに向けて、再募集で決めることの全体像、次点の候補者への連絡、募集条件と募集経路の見直し、そして次の人が決まるまで現場の仕事をどうつなぐかを整理します。

青い海を見下ろす岩場に置かれた、誰も座っていないサーモンピンクのひじ掛け椅子。人も文字も写っていない

再募集とは

内定辞退のあとにとれる手は、大きく4つに分かれます。1つ目は、選考で次点だった候補者にもう一度声をかけること。2つ目は、条件も経路も変えずに求人を出し直すこと。3つ目は、給与や任せる仕事の範囲といった募集条件を変えること。4つ目は、人材紹介やスカウトなど、募集の経路を変えたり足したりすることです。実際にはこれらを組み合わせ、採用が決まるまでの現場の仕事をどう回すかも決めます。

内定辞退は、エンジニア中途採用の悩みとして最も多いものではありません。労働政策研究・研修機構(JILPT)が2024年1月から3月に行った調査では、IT技術者を中途採用で確保しているIT企業142社のうち、中途採用の課題に「内定辞退者が多い」を挙げたのは10.8%でした。最も多かったのは「求める能力の人材を確保できない」78.4%で、「人材確保の競争が年々厳しくなっている」66.2%、「必要な採用者数を確保できない」61.9%が続きます(複数回答)。*3

数の上では少数派の悩みですが、1件の辞退で採用は振り出しに戻ります。求める能力の人材がもともと見つかりにくいなかで、ようやく見つけた候補者を失うことになるためです。再募集で決めることは、辞退が出る前に並べておくと動きが早くなります。

なぜ立て直しに時間がかかるのか

内定辞退のあと採用が長引きやすいのは、選考の途中にいたほかの候補者も、その間に動いているからです。厚生労働省の委託調査で話を聞いた企業の1社は、高度専門人材の採用について「応募からの面接のリードタイムを短くする事で、他社で決定してしまうことによる辞退等の取りこぼしを防ぐ」と述べています。*1 候補者は複数の会社の選考を同時に受けていることが多く、連絡が遅れれば次点の候補者も他社で決まってしまいます。

選考の手順を変えれば片づくとも言い切れません。JILPTが2017年に話を聞いた建設業の会社は、新卒採用の面接を2回から3回に増やしたところ、応募から内定までの期間が1〜2週間延び、選考中に他社に人材をとられるケースが増えた一方で、内定後の辞退者は減ったと答えています。*4 新卒採用の例ですが、選考の丁寧さと速さの兼ね合いは、中途採用でも気にかけておきたい点です。

もう1つの理由は、辞退の理由をつかまないまま次の募集を始めてしまうことです。給与が合わなかったのか、任せる仕事の説明が足りなかったのか、他社のほうが早く決まったのか。理由によって、見直すところが募集条件なのか、募集経路なのか、選考の速さなのかが変わります。辞退の理由の探り方は「エンジニア中途採用の内定辞退、辞退理由を入社した人の回答から探る」で扱っています。

次点の候補者への連絡

最初に確かめるのは、選考で次点だった候補者に、まだ声をかけられるかどうかです。最終面接まで進んだ人がいれば、書類選考からやり直すより早く結論が出ます。ただし、その人がすでに他社で決まっていることもありますし、見送りの連絡をしたあとで声をかけ直すことになる場合もあります。

見送りを伝えたあとで連絡するときは、事情を率直に伝えるのが基本です。「採用枠に空きが出たので、改めてお話しできないか」と切り出し、前回の面接で評価した点と、前回から変わった条件があればそれも示します。条件を変えないまま連絡するなら、前回と同じ条件であることをはっきり伝えます。候補者から見れば一度見送られた会社なので、返事を急がせない配慮も要ります。

次点の候補者を残せるかどうかは、選考の段階で決まります。内定を出す前に、ほかの候補者への結果の連絡をいつ出すかを決めておき、内定の承諾がはっきりするまで結論を保留する進め方もあります。保留にするときは、いつまでに結論を伝えるかを候補者に約束し、その期日を守ります。

応募書類や面接の記録を次点の候補者への連絡に使うときは、募集のときに示した利用の目的の範囲で扱います。応募者の個人情報の扱い方は「応募者の個人情報で収集してはいけない3つの事項」にまとめています。

募集条件を見直すか

次点の候補者がいなければ、募集を出し直します。そのとき、募集条件を変えるかどうかを決めます。手がかりになるのが、厚生労働省が2025年3月にまとめた中途採用の委託調査です。2025年1月から2月に、企業と中途採用で入社した人の両方にアンケートを行い、企業2,417社から回答を得ています。採用する人材を4つのタイプに分けており、特定の業務領域で高度な専門性を求められる業務を担当する「高度専門職」が、エンジニア中途採用に近い区分です。*1

この調査は、採用の際に特別な処遇や労働条件を示すことがあるかを企業に尋ねています。高度専門職を採用した企業611社では、「高い給与や賞与を提示することがある」が40.9%で最も多く、「職種・仕事内容を限定することがある」27.2%、「役職等の高いポジションを提示することがある」18.3%、「転勤する範囲を限定することがある」13.3%と続きました。「特別な処遇・労働条件を提示することはない」は38.5%です(複数回答)。*1

高度専門職の採用で示される特別な処遇・労働条件を、企業(n=611)と入社した人(n=316)で並べた横棒グラフ。複数回答で単位は%。高い給与や賞与は企業40.9・入社した人7.9、職種・仕事内容の限定は27.2・12.3、役職等の高いポジションは18.3・2.5、転勤する範囲の限定は13.3・4.7、勤務する場所や労働時間を選べる働き方は7.9・6.0、特別なキャリアパスは6.2・2.5、入社時の一時金は5.9・0.6。出典は厚生労働省の中途採用に関する委託調査(2025年3月)の図35と図63。

同じ調査で、高度専門職として入社した人316人に、入社を決める際に示された条件を聞くと、「特別な処遇・労働条件を提示されなかった」が70.3%でした。示された条件では「職種・仕事内容を限定された」12.3%が最も多く、「高い給与や賞与を提示された」は7.9%にとどまります(複数回答)。*1 企業と入社した人は別々に答えているので、単純には比べられません。

それでも、見直しの手がかりにはなります。条件の見直しは給与を上げることだけではなく、任せる仕事の範囲を絞る、勤務する場所や時間を選べるようにするといった手もあるということです。辞退の理由が給与なら給与の幅を、仕事の中身なら任せる範囲を、働き方なら勤務の条件を見直します。理由が条件以外にあるなら、条件は変えずに経路や選考の速さの見直しに進みます。

求人票を書き直すときは、必須の要件を増やしすぎないように気をつけます。書き分け方は「エンジニア採用の求人票、必須要件と歓迎要件の違いと書き分け」で扱っています。

同じ経路で出し直すか

次に、どの経路で募集するかを決めます。厚生労働省の別の委託調査は、2025年1月から2月に企業1,270社から回答を得て、中途採用で使う6つの経路を比べています。中途採用・経験者採用をしている企業の利用率は、「求人情報誌・求人サイト」73.8%と「ハローワーク」73.4%が高く、「縁故」と「人材派遣」が50%前後、「職業紹介」と「スカウトサービス」が30%台でした。*2

6つの採用経路の利用率と、効果があると評価する企業が最も多い項目(出典:厚生労働省「企業における採用経路の選択動向等に関する調査研究事業 結果報告書」図20・図35の本文。この表は報告書の本文に示された内容をもとに筆者が作成したもので、図そのものを複製したものではない)
採用経路 利用率 効果があると評価する企業が最も多い項目
求人情報誌・求人サイト 73.8% 求職者からの応募数
ハローワーク 73.4% 費用の安さ
縁故採用 50%前後 費用の安さ
人材派遣 50%前後 採用に至るまでのスピード
職業紹介 30%台 求める人材に対するマッチングの的確性
スカウトサービス 30%台 求める人材に対するマッチングの的確性

同じ調査で、それぞれの経路にどんな効果を感じているかを聞くと、効果があると評価する企業が最も多い項目は経路ごとに違いました。ハローワークと縁故採用は「費用の安さ」、人材派遣は「採用に至るまでのスピード」、求人情報誌・求人サイトは「求職者からの応募数」、職業紹介とスカウトサービスは「求める人材に対するマッチングの的確性」です。*2

この違いは、再募集の経路を選ぶときの目安になります。前回の募集で応募は来たのに条件の合う人が少なかったなら、マッチングの的確性で評価されている経路を足す。応募そのものが少なかったなら、応募数で評価されている経路を広げる。辞退の理由が他社に先を越されたことなら、経路よりも選考の速さを先に見直す、という分け方です。

経路を足した例もあります。JILPTが話を聞いた従業員1,000人以上の情報システム会社は、専門人材の中途採用で、人材紹介会社、転職イベント、自社のWebサイトからの応募に加えて、元社員が復職するカムバック制度や、社員が前職の同僚や部下を紹介する社員紹介制度も使っていました。職種によっては、内定後に配属先となる職場の社員と顔を合わせる機会も設けています。*4 経路の組み合わせ方は「エンジニア採用の採用チャネル、人材紹介と併用する経路を決める手順」で詳しく扱っています。

現場の仕事のつなぎ方

再募集の間も、現場の仕事は止まりません。入社予定日に合わせて空けていた作業や、採用する人に任せる予定だった改修が、そのまま宙に浮きます。まず、入社予定日から始める予定だった作業を書き出し、いつまでに誰かが手をつけないと困るかを並べます。

企業全体で見ると、人手が足りないときの対応は採用に寄っています。先の採用経路の調査では、「中途採用の強化」に取り組む企業が70.0%、「新卒採用の強化」が55.2%で、報告書は回答企業が「人材の内部調達」や「業務の見直し等」より「人材の外部調達」を重視していると述べています。*2 ただ、再募集で次の人が決まるまでの期間は、採用の強化だけでは埋まりません。

つなぐ方法は、社内の別のメンバーに一時的に担当してもらう、作業の優先順位を下げて後ろにずらす、期間を区切って外部の専門人材に入ってもらう、の3つが中心です。社内で動かす分と外部に任せる分を分けるときは、「既存の画面の改修を3か月」のように、任せる作業と期間を書き出しておくと声をかけやすくなります。外部の人材を採用までのつなぎに使うときの決め方は「外部人材活用を採用難のつなぎにするとき決める4つのこと」で扱っています。

気をつけたいのは、つなぎのつもりで入ってもらった人に、採用する人に任せるはずだった仕事の中核まで渡してしまうことです。そうなると、次に採用した人の担当が決めにくくなります。何を社内に残し、何を期間を区切って任せるかは、社内で決めておきます。

まとめ:再募集で確かめておきたい4つの点

エンジニア中途採用で内定辞退が出たあと、再募集に入る前に確かめておきたい点は4つに整理できます。第一に、次点の候補者にまだ声をかけられるかを確かめ、声をかけるなら前回との違いを示して早めに連絡すること。第二に、辞退の理由が条件にあるなら、給与だけでなく任せる仕事の範囲や働き方も含めて見直すこと。第三に、前回の募集で足りなかったのが応募の数なのか条件の合う人なのかを見て、経路を選び直すこと。第四に、次の人が決まるまでの現場の作業を書き出し、社内で動かす分と外部に任せる分を分けることです。この4点を踏まえておけば、「同じ求人を出し直したが、また同じところで止まった」という事態を避けやすくなります。現場の仕事のつなぎ方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

再募集の間に止まる作業が決まったら、その作業の担い手を探す段階です。既存の画面の改修を3か月、テストの設計を2か月——このくらいまで書けていれば、求める経験の条件も決まります。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

再募集には、どのくらいの期間を見込めばよいですか

内定辞退のあとの再募集にかかる期間の公的な統計は公表されていません。次点の候補者に声をかけられるなら結論は早く出ますが、求人を出し直すなら掲載から選考までを改めて見込みます。入社までには、候補者がいまの勤め先を退職する手続きの期間も加わります。

前回と同じ求人票をそのまま使ってもよいですか

辞退の理由が条件や仕事の説明にないと分かっているなら、そのまま使えます。ただし、掲載の期限が切れていないか、内容がいまの条件と合っているかは確かめます。条件を変えたときは、前の求人の内容も忘れずに直します。

内定を辞退した人に、もう一度声をかけてもよいですか

辞退の理由が入社の時期や一時的な事情なら、時間をおいて声をかける余地があります。その場合も、前回と何が変わったのかを示すのが前提です。本人が今後の連絡を望まないと伝えてきたときは、連絡を控えます。

再募集の間だけ外部の人材に入ってもらうとき、社内で決めておくことは何ですか

任せる作業、期間、成果の受け取り方、終わるときの引き継ぎの4つです。とくに、採用した人が入社したあとに誰がどの作業を引き取るかを先に決めておくと、つなぎの期間が延びたときにも慌てずに済みます。

再募集の間の開発を相談したいとき

採用が決まるまで止まる作業と期間が書けていれば、そのままご相談いただけます。再募集の条件をまだ決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省「中途採用・経験者採用者が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究 結果報告書」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001489721.pdf)。出典:厚生労働省委託事業の結果報告書(2025年3月)。アンケートは2025年1月16日から2月14日、企業アンケートの有効回収2,417社・労働者アンケート2,079人。図6(人材タイプの分類)、図35(特別な処遇・労働条件の提示内容・高度専門職n=611)、図63(入社決定の際に提示された特別な処遇・労働条件の内容・高度専門職n=316)、ヒアリング調査の事例を参照。グラフは示された数値をもとに筆者が作成した(2026年9月確認)
  2. *2 参考:厚生労働省「企業における採用経路の選択動向等に関する調査研究事業 結果報告書」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001491079.pdf)。出典:厚生労働省委託事業の結果報告書(2025年3月)。アンケートは2025年1月23日から2月14日、10,000社のうち1,270社が回答(有効回収率12.7%)。図15(人手不足への対応方針)、図20(6つの採用経路の利用率)、図35(企業が6つの採用経路に対して感じている効果)の本文を参照(2026年9月確認)
  3. *3 参考:労働政策研究・研修機構「調査シリーズ第254号「デジタル人材」の能力開発・確保をめぐる企業の取り組みに関する調査」(PDF)(https://www.jil.go.jp/institute/research/2025/documents/0254.pdf)。出典:JILPT調査シリーズ第254号(2025年3月)。調査は2024年1月26日から3月21日、IT企業調査は215社が回答。図表3-3-8(IT技術者の中途採用における課題・IT技術者を社外からの中途採用で確保している142社)を参照(2026年9月確認)
  4. *4 参考:労働政策研究・研修機構「調査シリーズ第179号 企業の多様な採用に関する調査」第3章(PDF)(https://www.jil.go.jp/institute/research/2018/documents/179_02.pdf)。出典:JILPT調査シリーズ第179号(2018年)第3章 企業の多様な採用に関するヒアリング調査(2017年10月17日から11月21日)。情報通信業D社の中途採用、建設業F社の新卒採用(面接回数の追加)を参照(2026年9月確認)
  5. *5 参考:労働政策研究・研修機構「調査シリーズ第179号 企業の多様な採用に関する調査」(https://www.jil.go.jp/institute/research/2018/179.html)。調査の概要ページ。報告書の構成の確認として(2026年9月確認)




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