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2026.10.16 採用支援コラム

フルリモートのエンジニア採用|募集前に決める4つのポイント

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

窓際の木目の机に、白いヘッドセット・閉じた白いノート・白いマグカップが置かれた自宅の働く席

この記事の結論

  • フルリモートのエンジニア採用では、勤務地の範囲・出社の有無・評価・機器と情報管理の4つを、募集の前に決めます。
  • 公的資料で確かめられるのはIT分野のテレワークの広がりと経験者の継続意向までで、フルリモートの応募数や離職率は確かめられません。
  • 出社なしを望む人は少数派のため、フルリモートだけでなく、出社を組み合わせる形も並べて比べます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

エンジニアを採りたいのに、出社を前提にすると応募が集まらない。かといってフルリモートにすると、応募も定着もどう変わるのか見当がつかない。フルリモートのエンジニア採用とは、出社を前提とせず、自宅などを就業の場所として社員を募集し、雇うことを指します。

本記事では、採用を任された担当者や開発マネージャーに向けて、応募と定着について公的な資料で確かめられる範囲と、募集の前に決める4つのことを整理します。フルリモートに限った応募数や離職率の公的な統計は、確かめた範囲にありません。

フルリモート採用とは

公的な調査に、フルリモートという区分はありません。国土交通省の調査は、雇用されて働く人のテレワークを「勤務先に出勤せず自宅その他の場所で仕事をすること」などと定めています。*1 本記事では、これと同じように出社の予定を置かない働き方を、フルリモートと呼びます。

働き方ごとの、募集の広がりと先に決めること(本記事の整理)
働き方 出社の考え方 募集で対象にしやすい人 先に決めること
フルリモート 出社の予定を置かない 住んでいる場所を問わない形にしやすい 就業の場所の書き方、機器の届け方、連絡の取り方
リモートと出社の組み合わせ 週に1〜2日や月に数回など、決まった日に出社する 出社できる距離に住む人が中心になる 出社する日の決め方、交通費の扱い
出社中心 ふだんは出社し、リモートは例外とする 通勤できる範囲の人が中心になる リモートを認める場面と回数

リモートと出社を組み合わせる場合の出社頻度は、リモート可の求人票に書く出社頻度で扱っています。

応募と定着はどう変わるか

応募の側から見ます。IT分野は、テレワークがとくに広がっている分野です。

白無地の応募書類の束を両手で押さえ、右手で1枚めくる机の上の手元と白いマグカップ

IT分野での広がりは、次の図のとおりです。数字の出典は、総務省の企業向けの調査*3と、国土交通省の就業者向けの調査*1です。

IT分野でのテレワークの広がりを示す横棒グラフ。テレワークを導入している企業の割合は、常用雇用者100人以上の企業全体で50.1%、情報通信業で92.8%。これまでにテレワークをしたことがある人の割合は、雇用型就業者全体で25.2%、情報通信業で74.1%。総務省「令和7年通信利用動向調査(企業編)」と国土交通省「令和7年度テレワーク人口実態調査」をもとに作成。

応募者の多くは、テレワークを経験している可能性があります。出社が前提の求人は、条件が狭く見えるおそれがあります。ただし、フルリモートにすると応募が何割増えるかを示す公的な数字は、確かめた範囲にありません。

働き方の希望も分かれます。国土交通省の令和6年度の調査では、テレワークを続けたい雇用型テレワーカー(5,672人)の半数以上が週3日以上のテレワークを、7割以上が週1日以上の出社との組み合わせを望んでいます。*2 出社なしを望む人は、残りの3割未満です。フルリモートに絞ると、住む場所では応募の入口が広がる一方、その働き方を望む人に絞る面もあります。

次に定着の側です。同じ調査では、雇用型テレワーカーの約64%にテレワークを続けたい意向があり、直近1年間に実施した人に限ると約80%です。*2 継続意向のある人の9割以上は今の頻度と同じかそれ以上を、5割以上は今より高い頻度を望んでいます。*2 認めた働き方を後から出社の方向へ変えると、この希望とは逆の変更になります。

企業の側でも、導入目的に「人材の雇用確保・流出の防止」を挙げる割合は23.9%で、令和5年の16.4%から上がっています。*3 入社後の手当ても要ります。厚生労働省のガイドラインは、中途採用の社員にはコミュニケーションの円滑化に特段の配慮をすることが望ましいとしています。*4 入社初日の準備はリモート採用の入社初日の作業環境で扱っています。

応募と定着について、公的資料で確かめられることと確かめられないこと
観点 確かめられること 確かめられないこと
応募 IT分野はテレワークの経験者も導入企業も多い。出社なしを望む人は3割未満 フルリモートにしたときの応募数の増減
定着 経験者の多くが続けたい意向を持ち、頻度は今と同じかそれ以上を望む フルリモートで働く社員の離職率

募集の前に決める4つのこと

求人を出す前に、次の4つを決めます。厚生労働省のガイドラインも、実施場所、テレワーク可能日、費用負担などをあらかじめ話し合ってルールにしておくことが重要だとしています。*4

箱に白いヘッドセットとケーブルの束を収め、両手で白無地の封筒を入れる発送準備の手元

募集の前に決める4つのこと(厚生労働省のガイドラインをもとに作成)
決めること 決める中身 詳しい記事
勤務地の範囲 国内のどこまでを対象にするか。就業の場所に自宅を含めて書く リモート採用の採用エリアの決め方
出社の有無 出社をなくすのか、入社時など年に数回だけ集まるのか 出社頻度の書き方
評価 求める水準と、確かめる場をあらかじめ示す 評価制度の決め方
機器と情報管理 機器を貸すか、費用をどちらが持つか、持ち出してよい情報は何か 貸与PCの発送から返却まで

1つ目は勤務地の範囲です。雇い入れの直後からテレワークを行わせることが通常想定される場合は、自宅など、テレワークを行う場所を明示する必要があります。テレワークを行う場所にかかわらず、労働者が属する事業場のある都道府県の最低賃金が適用されます。*4

2つ目は出社の有無です。オフィスでしかできない作業が月に何回あるかを数えて決めます。出社を求める場面がありうるなら、回数と条件も求人票に書きます。

3つ目は評価です。ガイドラインは、上司が部下に求める内容や水準をあらかじめ具体的に示しておくことが望ましいとしています。テレワークの頻度が労働者に委ねられている場合に、オフィスで働いていることを理由に高く評価することも、適切とはいえないとしています。*4

4つ目は機器と情報管理です。労働者に情報通信機器や作業用品などの負担をさせる定めをするときは、就業規則への規定が必要です(労働基準法第89条第5号)。情報セキュリティは、全ての業務を一律にテレワークの対象外とせず、業務ごとに個別に判断することが望ましいとされています。*4

つまずきやすい点

つまずきやすい点は次の4つです。

  • 「全国どこでも」と書いたのに、書類の受け渡しや緊急の対応で、実際は出社が要る作業が残っている。
  • 評価の基準が、オフィスにいる人の働きぶりを前提に書かれたままになっている。
  • 機器の届け方と、データを置いてよい場所が決まらないまま、入社日を迎える。
  • 入社直後に、聞ける相手と時間が決まっておらず、相談しにくい状態が続く。

出社が要る作業は先に数えておくと、「出社なし」と書いてよいかが分かります。社内で反対が出たときの進め方は、リモート採用の社内合意の取り方にまとめています。

外部に委託するときに確認しておきたい点

任せたい役割が長く続く仕事か、期間を決めた作業かで、社員として採るか、業務委託で専門人材に入ってもらうかが分かれます。外部に探してもらうときは、次の点を確かめます。

  • フルリモートで働ける候補者か。端末、回線、作業をする場所、連絡の手段を、選考の段階で確かめてもらえるか
  • 社員の採用と業務委託のどちらに合う役割かを、任せる作業の中身から一緒に整理してもらえるか
  • 提案の時点で、出社の有無、勤務地の範囲、稼働の時間帯、機器と情報の扱いを示してもらえるか
  • 入社や参画のあとに、聞ける相手と進め方をどう決めるか

外部人材とフルリモートで進めるときの確かめ方は、外部人材活用をフルリモートで進める手順で扱っています。契約や労務の個別の扱いは、専門家に確かめてください。

まとめ:フルリモート採用で確かめておきたい3つの点

フルリモートのエンジニア採用で、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、勤務地の範囲、出社の有無、評価、機器と情報管理を、求人を出す前に決めること。第二に、公的資料で確かめられるのはテレワークの広がりと継続意向までで、フルリモートの応募数や離職率は確かめられないこと。第三に、出社なしを望む人は少数派のため、出社を組み合わせる形も比べることです。この3点を踏まえておけば、「フルリモートと書いたのに、評価の基準も出社の条件も決まっていなかった」という事態を避けやすくなります。探し方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

募集の前に4つが決まったら、次は人を探す段階です。フルリモートで進めたい役割の中身が分かっていれば、社員として働く人を探すか、業務委託で入る専門人材にするかを、そこから整理できます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

フルリモートにすると、応募は何割ほど増えますか

確かめられる公的な数字はありません。確かめられるのは、IT分野でテレワークの経験者や導入企業が多いことまでです。社内には、住む場所を問わず募集できる範囲が広がる、という形で説明します。

求人票には何を書けばよいですか

就業の場所に、自宅などテレワークを行う場所を書きます。出社を求める場面があるなら、その回数と条件も添えます。書き方の例は就業場所に自宅を含める書き方で扱っています。

評価は、出社する社員とは別の制度にしたほうがよいですか

作り直す必要はありません。ガイドラインは、評価の方法をオフィス勤務と区別するときは、あらかじめ内容を説明することが望ましいとしています。*4 求める水準と確かめる場を決める手順はリモート採用の評価制度の決め方にあります。

フルリモートで人を探したいとき

フルリモートで任せたい役割と、決まっているところまで分かれば、そのままご相談いただけます。社員で探すか業務委託にするか決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:国土交通省「令和7年度テレワーク人口実態調査」(概要版PDF)(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001989216.pdf)。出典:国土交通省 都市局「令和7年度テレワーク人口実態調査 調査結果(令和8年3月)」。1(2)用語の定義(雇用型就業者・テレワーク)、2-1(雇用型テレワーカーの割合25.2%)、2-2(業種別テレワーカーの割合・情報通信業74.1%)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査」(全体PDF)(https://www.mlit.go.jp/toshi/kankyo/content/001879091.pdf)。出典:国土交通省 都市局「令和6年度テレワーク人口実態調査 調査結果(令和7年3月)」。2-7・2-8(テレワークの継続意向)、2-9(実施希望頻度と現状の実施頻度。継続意向ありの雇用型テレワーカーn=5,672)、2-10(現状との増減)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  3. *3 参考:総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」(PDF)(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR202500_002.pdf)。出典:総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」。調査の範囲(常用雇用者100人以上の企業、令和7年8月末時点)、第4章 1「テレワークの導入状況」(図表4-1・4-2)、4「テレワークの導入目的」(図表4-6)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  4. *4 参考:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/000759469.pdf)。出典:厚生労働省。2(1)導入に当たっての留意点、3(3)テレワークの対象者等、4(1)テレワークにおける人事評価制度、4(2)費用負担の取扱い、5(2)(3)就業場所と労働条件の明示、11 セキュリティへの対応を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)




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