LASSIC Media らしくメディア
外部人材とは|種類ごとの違いと自社で使うときの決め方を解説
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- 外部人材は、社員ではなく社外から仕事に加わる人の総称で、業務委託、フリーランス、副業人材、派遣などの呼び名があります。
- 呼び名には、人の立場を表すものと、契約の種類を表すものが混ざっているので、契約書で何にあたるかを確かめます。
- 自社で使うときは、種類を選ぶ前に、仕事の中身と終わり、社内で決めること、頼む形の順に決めます。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
人が足りないので外部の人にも頼みたい。ところが、業務委託、フリーランス、副業、派遣、SES(技術者が客先の開発に加わる形)と言葉が多く、何がどう違うのか分からない——。エンジニアを迎える企業では、こうした入口の迷いが起こりがちです。外部人材とは、自社の社員ではなく、社外から仕事に加わってもらう人の総称です。
呼び名ごとに、契約の種類も、確かめる書類も違います。本記事では、政府の資料や法令にある意味を使って、種類の違いを表1枚にまとめ、自社で使うときに最初に決めることを整理します。詳しい論点は、各項目から関連の記事に進めます。
外部人材とは
外部人材は、法律で決まった用語ではありません。2022年版の中小企業白書は、「フリーランス人材や副業人材など社外の人材」を外部人材と呼び、中小企業での活用状況を調べています。*1 社員として雇う人以外で、社外から仕事に加わる人をまとめて呼ぶ言葉と考えると、分かりやすくなります。
- 社外の人であること:自社の社員として雇うのではなく、社外から仕事に加わる
- 種類が1つではないこと:業務委託や派遣など、迎える形が複数ある
- 個人も会社も含むこと:フリーランスは個人、派遣は派遣元の会社に雇われた人が来る
社員との違いは、雇用の形にあります。社員は自社が雇う人ですが、外部人材は自社が雇わない人です。派遣のように、派遣元の会社が雇う人を、指示を出す先として迎える形もあります。
同じ白書によると、外部人材を「既に活用している」企業の割合は、情報通信業で6割程度、そのほかの業種では2割から3割程度です。*1 活用したい理由は、規模に関わらず「専門的な技術やノウハウを活用するため」と「人手不足を補うため」が上位に挙がっています。*1
外部人材の種類と違い
外部人材の主な呼び名を、意味と確かめる資料とあわせて表にまとめました。

| 呼び名 | どんな人か | 確かめる資料 |
|---|---|---|
| 業務委託 | 仕事を任せる契約の呼び名。仕事の完成を約束する請負か、法律行為でない事務を任せる準委任の形で結ぶ | 民法632条・656条。契約書で請負か準委任かを確かめる |
| フリーランス | 実店舗がなく、雇人もいない自営業主か一人社長で、その仕事で収入を得る人。人の働き方の呼び名で、契約の種類ではない | 総務省の就業構造基本調査の用語の解説 |
| 副業・兼業人材 | 他企業に勤める正社員が、業務後や休日などの空き時間に別の仕事をする人 | 中小企業白書の注記。勤め先の決まりも確かめる |
| 派遣 | 派遣元の会社が雇う人が、派遣先の指揮命令を受けて、派遣先のために働く形 | 労働者派遣法2条 |
| SES | 現場で使われる呼び名。契約書の名前ではない | 契約書で、請負・準委任・派遣のどれにあたるかを確かめる |
| 顧問 | 経験のある人から助言を受ける形の呼び名 | 契約書で、助言だけか、作業まで任せるかを確かめる |
業務委託の中身は、請負と準委任で変わります。民法は、請負を、仕事を完成させることを約束し、その結果に報酬を払う契約と定めています。*6 準委任は、法律行為でない事務を任せる契約です。*6 たとえば、画面を作って納めてもらう仕事は請負の形に、毎月の運用作業を任せる仕事は準委任の形になじみます。どちらで結ぶかは、契約書の名前ではなく、頼む仕事の中身で決まります。
表の「確かめる資料」の欄は、迷ったときに最初に開く書類です。SESと顧問は、現場での呼び名なので、契約書を見ないと何を任せる形なのか分かりません。
呼び名と契約は別もの
表の呼び名には、人の立場を表すものと、契約の種類を表すものが混ざっています。
- フリーランスと副業人材は、人の立場の呼び名:自社との契約を業務委託にするかどうかは、別に決める。総務省の調査がフリーランスを定めた条件に、業務委託契約かどうかは入っていない*2
- 業務委託と派遣は、契約の種類:派遣は、派遣元に雇われた人が派遣先の指揮命令を受けて働く形で、請負と準委任とは仕組みが違う*5*6
- SESと顧問は、現場の呼び名:契約書を読んで、請負・準委任・派遣のどれにあたるかを確かめる
副業の人を迎えるときは、本人の勤め先の事情も関わります。厚生労働省のガイドラインは、副業・兼業の形態を、正社員、パート・アルバイト、会社役員、起業による自営業主などさまざまだとしています。*4 企業側の留意点として、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかも挙げています。*4 本人の勤め先の決まりは、本人に確かめておきます。
派遣は、仕組みがほかと大きく違います。派遣では、働く人を雇うのは派遣元の会社で、仕事の指示を出すのは派遣先です。*5 自社が指示を出す形なら派遣、成果や作業を任せる形なら業務委託が当てはまります。業務委託として契約したのに、自社が細かく指示を出す形になっていると、契約の名前と働かせ方が食い違います。
なお、この食い違いは問題になることがあるため、個別の判断は専門家に確かめてください。業務委託と社員の違いは、「業務委託と正社員の違い|企業がエンジニアを選ぶときの4つの基準」で整理しています。
自社で使うとき最初に決める4つ
外部人材の種類を選ぶ前に、仕事のほうを先に決めます。白書は、外部人材を活用するときの課題として、活用している企業も、していない企業も、「フリーランスや副業人材の能力の見極め」を挙げる割合が最も高いとしています。*1 活用してみたい企業では、出会い・マッチングと、労働条件や契約条件の調整を挙げる割合が、20ポイント程度高くなっています。*1 見極めも調整も、頼む仕事が決まっていないと進みません。
- 仕事の中身と終わり:何を、いつまでに頼むか。終わりが見える仕事か、続く仕事か
- 社内で決めること:何を作るか、優先順位をどうするかは社内に残し、作業を外に頼む
- 頼む人の形:個人か会社か。週に何日、どの時間帯に動いてもらうか
- 契約の形:仕事の性質に合わせて、請負・準委任・派遣のどれにするかを、契約書の案で確かめる

続く仕事は社員の採用、終わりが見える仕事は外部人材、と分けると決めやすくなります。採用が決まるまでのつなぎに使う場合は「外部人材活用を採用難のつなぎにするとき決める4つのこと」、社員と外部の仕事の分け方は「外部人材活用で採用難を補う役割分担、社員に残す3つの仕事」、採用・育成・外部委託の全体の比べ方は「IT人材不足の対応、採用・育成・外部委託の違いと選び方」が参考になります。
外部に頼むときに確認しておきたい点
種類を決めて声をかける前に、次の5つを確かめます。どれも、呼び名が違っても共通して確かめる点です。
- 契約の相手:個人と結ぶのか、会社と結ぶのか。契約書の名前は何か
- 仕事の範囲と成果物:何を、いつまでに、どの形で渡してもらうか
- 指示の窓口:誰が誰に連絡するか。依頼や変更は誰を通すか
- 期間と終わり方:頼む期間、延長の手順、契約を終えるときの条件
- 引き継ぎ:作業の記録をどこに置き、終わるときに誰へ渡すか
種類ごとの詳しい確認点は、次の記事から読めます。副業の人には「副業エンジニアと契約する前に本人と確かめる5つのこと」と「副業人材の受け入れ、後から契約する側の違い」、フリーランスには「外部人材活用で兼務する人の本業と副業の割合」、SESや派遣には「SESから自社雇用への切り替えを4つの条文で確かめる」と「SESの外注依存を見直し、ベンダーロックインを防ぐ4つの手順」を用意しています。
まとめ:外部人材で確かめておきたい3つの点
外部人材を自社で使うかどうかを考えるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、外部人材は社外から仕事に加わる人の総称で、種類が複数あること。第二に、フリーランスや副業人材は人の立場、業務委託や派遣は契約の種類というように、呼び名の意味を分けて読み、契約書で何にあたるかを確かめること。第三に、種類を選ぶ前に、仕事の中身と終わり、社内で決めること、頼む人の形、契約の形の順に決めることです。迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
外部人材と外注は同じ意味ですか
重なる部分はありますが、見る角度が違います。外注は仕事を他社に頼むこと全般を指し、外部人材は社外から仕事に加わる人に着目した呼び方です。
外部人材を使いながら、社員の採用も進められますか
進められます。続く仕事は社員が持ち、期間の決まった作業を外部人材に頼むように、仕事ごとに分けると進めやすくなります。採用が決まるまでのつなぎとして使う企業もあります。
副業の人に仕事を頼むとき、先に確かめることはありますか
本人の勤め先の決まりで、届け出などが要ることがあります。厚生労働省のガイドラインは、企業側の留意点に、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を挙げているため、勤め先との関係を本人に聞いておきます。*4
外部人材の使い方を決めたいとき
仕事の中身と終わりの書き出しからご相談いただけます。業務委託と社員の採用のどちらにするかが決まっていない段階でも構いません。
Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。
Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。
出典
- *1 参考:中小企業庁「2022年版 中小企業白書」第2節 人的資本への投資と組織の柔軟性、外部人材の活用(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/chusho/b2_2_2.html)。出典:中小企業庁。3「組織の柔軟性と外部人材の活用」の〔2〕外部人材の活用(業種別の活用意向、活用したい理由、課題・障壁)を参照。2026年10月16日に確認(2026年10月確認)
- *2 参考:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 用語の解説」(PDF)(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/yougo.pdf)。出典:総務省統計局。フリーランスの定義(「実店舗がなく、雇人もいない自営業主又は一人社長であって、その仕事で収入を得る者」)を参照(2026年10月確認)
- *3 参考:中小企業庁「2025年版 中小企業白書」第4節 人材戦略(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/chusho/b2_1_4.html)。出典:中小企業庁。副業・兼業人材の定義(注14)を参照。2026年10月16日に確認(2026年10月確認)
- *4 参考:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000962665.pdf)。出典:厚生労働省。1 副業・兼業の現状、2 副業・兼業の促進の方向性(企業の留意点)を参照(2026年10月確認)
- *5 参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(e-Gov法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/360AC0000000088)。第2条第1号(労働者派遣の定義)を参照。2026年10月16日に条文を確認(2026年10月確認)
- *6 参考:民法(e-Gov法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)。第632条(請負)、第643条(委任)、第656条(準委任)を参照。2026年10月16日に条文を確認(2026年10月確認)