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2026.09.25 採用支援コラム

エンジニア採用と資金調達、大学発ベンチャー527社の技術系人材




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 回答した大学発ベンチャーでは、技術開発責任者(CTO)・技術研究開発のマネジャー・技術研究開発の一般社員のどれでも、その人材を必要とした企業の約2〜3割が獲得できていなかった(この記事の計算):経済産業省の大学発ベンチャー実態等調査(令和7年度)のアンケート(回答527社。回答は依頼先の1割未満)で、CTOを「獲得できた」企業は40%、「必要だったが、獲得できなかった」企業は9%、「獲得対象ではない」企業は51%でした。*1 技術研究開発のマネジャーは同じ順に35%・14%・51%、技術研究開発の一般社員は39%・15%・46%です。*1 獲得できた企業と獲得できなかった企業を合わせて必要とした企業とすると、そのうち獲得できなかった割合は、この記事の計算で、CTOが約2割、技術研究開発のマネジャーと一般社員がどちらも約3割です。調査票は、2025年12月末日時点の状況を答えるよう求めています。*1 そのときまだ探していた企業があとで獲得していれば、最終的に獲得できなかった割合はこの値より低くなります。1人も獲得できなかった企業に限ればこの値以下、必要な人数をそろえられなかった企業まで含めればこの値以上です。創業メンバーや雇用以外の形でその役割を埋めて「獲得できた」と答えた企業を除いて数えれば、この値より高くなります(どれも、ほかの事情がないとした場合で、本文で説明します)。1社が複数の役割を必要とすることもあるので、技術系の役割のどれかで人材を獲得できなかった企業の割合は、この集計からは出せません。
  • 資金調達で分けた獲得状況の集計は、報告書の本文に載っていない(調達した額はそもそも尋ねていない):経済産業省の報告書の本文(1〜5章)の全ページを確かめた範囲では、人材の獲得状況を資金調達の有無や調達先で分けた集計はありません。調査票は、調達した資金の額も尋ねていません。資金調達と人材の獲得の両方に触れているのは、1大学と大学発ベンチャー2社へのヒアリングの指摘や要望で、割合の数字ではありません。
  • この報告書の数字を、資金調達で技術系の3つの役割の人材を獲得しやすくなる根拠として使わない(この記事の考え方):資金調達をした企業のほうが、獲得できなかった割合が低いかどうかは、報告書の集計からは分かりません。そのため、この記事では、採用計画を立てるときや、社内・投資家に説明するときに、この報告書の数字やヒアリングを、資金調達で技術系の3つの役割の人材を獲得しやすくなる根拠として使わないことを勧めます。約2〜3割という値は、資金調達で分けていない回答企業全体のもので、資金調達の効果を示す数字ではありません。調査の集計にはソフトウェアの開発者(エンジニア)という区分がないので、エンジニアの採用そのものについては、この勧めは及びません。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

大学の研究成果などにかかわるベンチャー企業(大学発ベンチャー。定義は後述)では、CTOや技術研究開発の人材を必要とした企業のうち、どれくらいが獲得できなかったのでしょうか。また、獲得できたかどうかと資金調達との関係は分かるのでしょうか。この記事では、調査の技術開発責任者(CTO)・技術研究開発のマネジャー・技術研究開発の一般社員の3つを「技術系の3つの役割」と呼び、経済産業省の大学発ベンチャー実態等調査から、この3つの役割の人材の獲得状況と資金調達の関係について、この調査で分かることと分からないことを確かめます。エンジニア採用と資金調達の関係を考える材料として、この調査がどこまで使えるかを見るのが目的です。調査の獲得状況の集計には、ソフトウェアの開発者(エンジニア)という区分がありません。そのため、この調査の数字からはソフトウェアの開発者の採用について言えることはなく、この記事では技術系の3つの役割とエンジニアを分けて書きます。想定している読者は、大学発ベンチャーで、資金調達のあとにCTOや研究開発の人材、ソフトウェアの開発者の採用計画を立てる開発部門の責任者や採用担当の人です。

経済産業省は、大学発ベンチャーを、大学に潜在する研究成果を掘り起こし、新規性の高い製品で新市場の創出を目指す「イノベーションの担い手」と説明しています。*2 今回参照したのは、経済産業省の大学発ベンチャー実態等調査(以下、実態等調査)の報告書「令和7年度産業技術調査(大学発ベンチャー実態等調査)報告書」(2026年3月。以下、報告書)です。経済産業省の大学発ベンチャーのページに載っている実態等調査の報告書では、この令和7年度のものがいちばん新しいものです。*2 使ったのは、調査の概要、大学発ベンチャーの定義、正社員数と採用予定数、これまでの資金調達先の集計、役員・マネジャー・一般社員の獲得状況、ヒアリング(聞き取り)の結果と、報告書の巻末に載っている調査票です。調査の対象は大学発ベンチャーに限られ、ほかのスタートアップや中小企業の数字ではありません。

色とりどりのパズルのピースが山になっている写真。人も文字も写っていない

大学発ベンチャー実態等調査が調べている範囲

実態等調査は、次の6つの類型のうち1つ以上に当てはまるベンチャー企業を、大学発ベンチャーとしています。*1

  • 研究成果ベンチャー:大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で新規に設立されたもの
  • 共同研究ベンチャー:創業者の持つ技術やノウハウを事業化するために、設立5年以内に大学と共同研究等を行ったもの(設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む)
  • 技術移転ベンチャー:既存事業を維持・発展させるため、設立5年以内に大学から技術移転等を受けたもの(設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む)
  • 学生ベンチャー:現役の学生が関係する(した)ベンチャーのうち、大学と深い関連のあるもの
  • 教職員等ベンチャー:大学と深い関連のある教職員や研究職員などによるベンチャー
  • 関連ベンチャー:大学が組織的に関係しているベンチャーや、退職後・卒業後1年以内の教職員等・学生が設立に深く関与したベンチャーなど

報告書は、「技術移転等」や「深い関連」が具体的に何を指すかや、学生ベンチャーや教職員等ベンチャーに当たるには学生や教職員等がどう関わっている必要があるのかまでは書いていません。一覧の説明は、報告書の定義の言い回しに沿っています。実態等調査のうち、大学発ベンチャーを対象にしたアンケート(報告書の「大学発ベンチャーの実態に関する調査」。以下、アンケート)は2026年1月から2月に行われ、5,739社に依頼して527社が回答しました(回収率9.2%)。*1 対象は、2025年10月末日現在で設立されている大学発ベンチャーです。*1 対象の企業は10月末日の時点で設立されているかで決め、回答は12月末日の時点の状況で求めています(12月末日の指示は次の節で説明します)。回答したのは依頼した企業の1割に満たないので、回答した企業の傾向が大学発ベンチャー全体と同じとは限りません。以下の割合は、ことわりのない限り、この527社に占める割合です。報告書の正社員数・採用予定数・獲得状況の図は、どれも回答数を527(n=527)としています。*1

回答した企業の正社員数は、5人未満が55.2%、5人以上10人未満が23.0%です。*1 合わせると、10人未満の企業が8割近く(78.2%)を占めます(この記事の計算)。2026年度の正社員採用予定数(職種で分けていない数)は、0人が60.3%、1人が13.5%、2人が10.8%、3〜5人が9.1%、6人以上が6.3%でした。*1 採用予定のある企業(39.7%)のうち、1〜2人の企業が6割ほどです(この記事の計算)。

技術系の3つの役割の人材を獲得できた企業と、獲得できなかった企業

実態等調査は、役員・マネジャー・一般社員の人材ごとに、「獲得できた」「必要だったが、獲得できなかった」「獲得対象ではない」の3つで獲得状況を集計しています。*1 調査票は冒頭で「2025年12月末日時点の状況」を答えるよう求め、人材の設問では「現在に至るまでに必要となった人材」について、役職・分野ごとに3つから1つを選ぶ形で尋ねています。*1 「現在に至るまでに」がいつからかは調査票に書かれておらず、創業時から必要となった人材すべてを指す可能性もあります。

調査の「技術研究開発」に何が含まれるかは報告書に説明がなく、ソフトウェアの開発者が含まれるのか、含まれるとして技術研究開発の人材のうちどのくらいの割合を占めるのかは分かりません。「獲得」が雇用による採用だけを指すのかも、調査票と報告書の本文に書かれていません。この記事では、調査の数字を述べるときは「獲得」と書き、採用とは言い換えません。

大学発ベンチャーの人材の獲得状況(回答527社、単位は%)(出典:経済産業省「令和7年度産業技術調査(大学発ベンチャー実態等調査)報告書」3.4.2。役員はCTO、マネジャーは技術研究開発だけを抜き出し、一般社員は8分野すべてを載せた。分野名は報告書のもので、中身の説明は報告書にない。「知財」は知的財産。右端の列は、獲得できた企業と獲得できなかった企業を合わせた割合(527社に占める%)を分母にしたこの記事の計算。2026年9月24日確認)
人材 獲得できた 必要だったが、獲得できなかった 獲得対象ではない 必要とした企業のうち獲得できなかった割合
役員:技術開発責任者(CTO) 40 9 51 約18
マネジャー:技術研究開発 35 14 51 約29
一般社員:技術研究開発 39 15 46 約28
一般社員:総務・人事等 33 14 53 約30
一般社員:財務・経理 33 16 52 約33
一般社員:生産・調達実務 19 15 67 約44
一般社員:マーケティング・営業 22 21 57 約49
一般社員:法務・知財 18 18 64 約50
一般社員:戦略・事業開発 14 21 64 約60
一般社員:海外展開 7 18 75 約72

右端の列は、「獲得できた」と「必要だったが、獲得できなかった」を足した値を必要とした企業の割合とみなし、そのうち獲得できなかった割合をこの記事で計算したものです(CTOなら9÷(40+9))。報告書は、比率を四捨五入しているため、1つだけを選ぶ設問でも、割合を足すと100にならない場合があるとしています。*1 表でも、3つの列(獲得できた、必要だったが獲得できなかった、獲得対象ではない)の合計が100にならない行が3つあります(生産・調達実務と財務・経理は101、戦略・事業開発は99)。表の値は四捨五入されているので、元の値は表の値の前後0.5ポイント(ポイントは、%で表した値どうしの差)の範囲にあります。いちばん低く見積もるときは「必要だったが、獲得できなかった」を0.5下げて「獲得できた」を0.5上げ、いちばん高く見積もるときはその逆にして計算しました(CTOなら8.5÷(40.5+8.5)で17.35%)。こうして計算し直すと、CTOは17.35〜19.39%、技術研究開発のマネジャーは27.55〜29.59%、技術研究開発の一般社員は26.85〜28.70%で、どの値を取っても約2割・約3割は変わりません(この記事の計算)。1社が複数の役割を必要とすることもあるため、技術系の役割のどれかで人材を獲得できなかった企業の割合は、この表からは計算できません。

いつの時点の割合か、1人も獲得できなかった企業の割合か必要な人数をそろえられなかった企業の割合か、社外からの雇用に限るかによって、実際の割合は右端の列の値より高くも低くもなります。理由は少なくとも次の4つです。1つめは、2025年12月末日の時点でまだ探していた企業も「必要だったが、獲得できなかった」を選んだ可能性があることです。そうした企業があとで獲得していれば、最終的に獲得できなかった企業の割合は、この計算値より低くなります。2つめは、何人か獲得できたが足りない企業が、「獲得できた」と「必要だったが、獲得できなかった」のどちらを選んだか分からないことです。そのため、ほかの事情を除けば、1人も獲得できなかった企業の割合はこの計算値以下、必要な人数をそろえられなかった企業の割合はこの計算値以上になります。CTOを1人だけ必要とする企業では、1人獲得できれば足り、獲得できなければ0人なので、この事情は起こりません。3つめは、「獲得」に創業メンバーが含まれるか分からないことです。創業メンバーがその役割に就いただけで「獲得できた」と答えた企業がいれば、社外から採ろうとした企業だけで数えた割合は、分母が小さくなるので、この計算値より高くなります。4つめは、「獲得」に雇用以外の形(雇用せずに外部の人材に頼むなど)が含まれるか分からないことです。雇用以外の形でその役割を埋めて「獲得できた」と答えた企業がいれば、雇用で獲得できなかった企業の割合は、この計算値より高くなります。このほか、回答が依頼先の1割に満たないことと、「現在に至るまでに」がいつからか分からないことも数字に影響しえますが、高くするか低くするかは分かりません。

実態等調査は、一般社員について、「必要だったが、獲得できなかった」分野としてマーケティング・営業と戦略・事業開発が比較的多い傾向にあるとしています。*1 報告書の図の値(527社全体に占める割合)では、この2分野はどちらも21%で、一般社員8分野のうちいちばん高い値です。表の右端の列は分母が違い、必要とした企業に占める割合です。右端の列では、いちばん高いのは海外展開(約72%)で、技術研究開発の一般社員が約28%で8分野のうちいちばん低く、総務・人事等(約30%)が次に低い値です(この記事の計算)。四捨五入前の値がどこにあっても、一般社員の技術研究開発はいちばん高く見て28.70%、総務・人事等はいちばん低く見て28.72%なので、四捨五入の幅ではこの2つの順は入れ替わりません(この記事の計算)。ただ、差は約2ポイントで、上で述べた事情しだいでは入れ替わりえます。分野によって割合が違う理由は、調査からは分かりません。

報告書の項目から5つを抜き出し、大学発ベンチャー527社の人材の獲得状況を、獲得できた・必要だったが獲得できなかった・獲得対象ではないの3つに分けて並べた横棒グラフ。CTOは40%・9%・51%、技術研究開発のマネジャーは35%・14%・51%、技術研究開発の一般社員は39%・15%・46%、マーケティング・営業の一般社員は22%・21%・57%、戦略・事業開発の一般社員は14%・21%・64%。出典は経済産業省「令和7年度産業技術調査(大学発ベンチャー実態等調査)報告書」。

資金調達で分けた獲得状況の集計は、報告書の本文に載っていない

実態等調査の調査票に、調達した資金の額を尋ねる設問はありません。報告書には、これまでの資金調達先を尋ねた設問(複数選択)の集計があります。*1 ただ、報告書の本文(1〜5章)の全ページを確かめた範囲では、人材の獲得状況を、資金調達の有無や調達先で分けた集計はありません(巻末に載っているのは調査票で、集計ではありません)。そのため、資金調達をした企業としていない企業とで、獲得できなかった割合が違うかは、報告書の数字からは分かりません。

報告書は、博士号取得者の活用の課題をヒアリング(聞き取り)でまとめ、採用・育成の面の指摘として、「資金調達の段階によって支払余力が変動し、優秀な博士の獲得・定着の継続性が課題」を挙げています。*1 会社が給与を払える余裕が資金調達の段階で変わるため、優秀な博士を獲得し続けることや定着させることが難しい、という意味と読めます。「資金調達の段階」が何を指すかは、報告書に説明がありません。ヒアリングはアンケートとは別に行われ、相手は1大学と大学発ベンチャー2社です。*1 指摘は博士号取得者についてのもので、ソフトウェアの開発者について同じことが言えるかは、この調査からは分かりません。同じヒアリングの結果の「国に期待すること・方策」の欄には、国際展開に向けて人材獲得と資金調達を進めるための支援や、大型の資金調達や高度な経営人材を確保するための支援を求める声もあります。*1 これらは支援を求める声で、資金調達で人材を獲得しやすくなるかを示すものではありません(この記事の読み)。

この報告書の数字を、資金調達で獲得しやすくなる根拠として使わない(この記事の考え方)

ここまでで分かったのは、回答した大学発ベンチャーでは、技術系の3つの役割のどれでも、その人材を必要とした企業の約2〜3割が獲得できていなかったということです(この記事の計算)。報告書の本文(1〜5章)の全ページを確かめた範囲では、獲得状況を資金調達の有無で分けた集計はありません。約2〜3割という値そのものにも限界があります。回答は依頼先の1割に満たないので、回答しなかった企業でも獲得できなかった割合が2〜3割だとは限りません。また、ソフトウェアの開発者に当てはまるかも、この調査からは分かりません。

ここからは、この記事の考え方です。資金調達をした企業のほうが獲得できなかった割合が低いかどうかは、報告書の数字からは分からないので、報告書の数字は、資金調達で技術系の3つの役割の人材を獲得しやすくなる根拠にはなりません(この記事の判断)。ヒアリングの支払余力の指摘は、資金調達の段階が博士の獲得や定着にかかわりうることを示す聞き取りです。ただ、相手は1大学と2社で、割合の数字でもないため、資金調達で獲得しやすくなる根拠としては扱いません。そこでこの記事では、採用計画を立てるときや、社内・投資家に説明するときに、この報告書の数字やヒアリングを、資金調達で技術系の3つの役割の人材を獲得しやすくなる根拠として使わないことを勧めます。この記事は、どうすれば獲得できるかや、獲得できなかったときにどうするとよいかまでは扱いません。

報告書の本文を確かめた範囲では、どの役割・分野でも、獲得状況を資金調達の有無で分けた集計はありません。そのため、技術系以外の分野でも、報告書の数字は資金調達で獲得しやすくなる根拠になりません(この記事の判断)。この記事では、名前に「技術」を含む3つを技術系の役割として取り上げました。ほかの分野より獲得しにくいから選んだのではありません。必要とした企業のうち獲得できなかった割合(表の右端の列)では、一般社員の8分野の中で、技術研究開発がいちばん低い値でした(この記事の計算)。

エンジニアの年収の統計の読み方は、別の記事「エンジニアの年収レンジと公的統計の使い方」で、最初の1人を採るときに起きやすい問題は「1人目のエンジニア採用で起きる4つの問題」で扱っています。

まとめ:エンジニア採用と資金調達を、技術系の3つの役割の獲得状況から確かめた結果

実態等調査のアンケート(回答527社、回収率9.2%)で、CTO・技術研究開発のマネジャー・技術研究開発の一般社員の3つの役割について、その人材を必要とした大学発ベンチャーのうち獲得できていなかった割合をこの記事で計算すると、CTOが約2割、技術研究開発のマネジャーと一般社員が約3割でした。2025年12月末日時点でまだ探していた企業があとで獲得していれば、最終的に獲得できなかった割合はこれより低くなります。1人も獲得できなかった企業に限ればこれ以下、必要な人数をそろえられなかった企業まで含めればこれ以上になります。創業メンバーがその役割に就いただけで「獲得できた」と答えた企業がいれば、社外から採ろうとした企業だけで数えた割合はこれより高くなり、雇用以外の形でその役割を埋めて「獲得できた」と答えた企業がいれば、雇用で獲得できなかった企業の割合はこれより高くなります。報告書の本文(1〜5章)の全ページを確かめた範囲では、獲得状況を資金調達の有無で分けた集計はなく、資金調達をした企業のほうが獲得できなかった割合が低いかどうかは分かりません。この記事では、採用計画を立てるときや社内・投資家に説明するときに、この報告書の数字やヒアリングを、資金調達で技術系の3つの役割の人材を獲得しやすくなる根拠として使わないことを勧めます。調査の集計にはソフトウェアの開発者という区分がないので、エンジニア(ソフトウェアの開発者)の採用そのものについては、この調査から勧めは出せません。

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Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

資金調達をすれば、エンジニアを採れますか

報告書の数字からは分かりません。報告書の本文を確かめた範囲では、人材の獲得状況を資金調達の有無で分けた集計はなく、調査票は調達した資金の額も尋ねていません。資金調達をしたかどうかで分けていない回答企業全体では、CTO・技術研究開発のマネジャー・技術研究開発の一般社員のどれでも、その人材を必要とした企業の約2〜3割が獲得できていませんでした(この記事の計算)。これは資金調達の効果を示す数字ではなく、調査の「技術研究開発」の人材が、ソフトウェアの開発者と同じとも限りません。報告書で資金調達と人材の獲得の両方に触れているのは、1大学と大学発ベンチャー2社へのヒアリングで、博士号取得者について「資金調達の段階によって支払余力が変動し、優秀な博士の獲得・定着の継続性が課題」という指摘があります。*1 同じヒアリングには、国際展開に向けて人材獲得と資金調達を進めるための支援を求める声もあります。*1 どれも聞き取りで、資金調達で人材を獲得しやすくなるかを示す数字ではありません。

調査の「技術研究開発」の人材は、エンジニアと同じですか

同じとは言えません。報告書に「技術研究開発」に何が含まれるかの説明はなく、ソフトウェアの開発者が含まれるのか、含まれるとして技術研究開発の人材のうちどのくらいの割合を占めるのかは分かりません。この記事では、数字がエンジニア採用にそのまま当てはまるとは限らないものとして扱っています。

大学発ベンチャーは、何人くらい正社員を採る予定ですか

回答した527社のうち、2026年度の正社員採用予定数(職種で分けていない数)が0人の企業は60.3%でした。*1 回答は依頼先の1割未満で、大学発ベンチャー全体と同じとは限りません。採用予定のある企業(39.7%)を分母にすると、1〜2人が約61%、3〜5人が約23%、6人以上が約16%です(この記事の計算)。

資金調達のあとの採用から相談したいとき

採るエンジニアの役割を決め、社員に任せる仕事と、雇用せずに外部の専門人材に頼む仕事を切り分けるところからご相談いただけます。

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出典

  1. *1 参考:経済産業省「令和7年度産業技術調査(大学発ベンチャー実態等調査)報告書」(https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/start-ups/reiwa7_vc_cyousakekka_houkokusyo.pdf)。出典:経済産業省「令和7年度産業技術調査(大学発ベンチャー実態等調査)報告書」(2026年3月、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社。表紙の題は「大学発ベンチャーの実態等に関する調査」)。1.2(調査の内容と方法。比率の四捨五入の注記を含む)、大学発ベンチャーの定義、3.1.4(正社員数・2026年度正社員採用予定数)、3.2.3(これまでの資金調達先)、3.4.2(役員・マネジャー・一般社員の人材の獲得状況)、5.2(博士号取得者の活用における課題のヒアリング)、巻末の【参考】大学発ベンチャーの実態に関する調査 調査票(冒頭の回答時点の指示、人材の獲得状況の設問ほか)を参照。資金調達で分けた集計が無いことは、本文(1〜5章)の全ページを確認した(2026年9月確認)
  2. *2 参考:経済産業省「大学発ベンチャー」(https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/start-ups/start-ups.html)。出典:経済産業省「大学発ベンチャー」のページ。大学発ベンチャーの位置づけと、掲載されている実態等調査の報告書のうち令和7年度のものがいちばん新しいことを参照(2026年9月確認)




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